坂本龍一さんが創立した団体も!「日本の森の課題」と向き合う注目のアクション[FRaU]
寺院所有の森の中に遺骨を埋葬するサービスを行う。遺骨は環境アドバイザーの監修のもと、自然循環しやすい方法で、霊場として名高い大阪府・能勢妙見山にある森に埋葬される。
利用者は生前からその森を利用でき、森林浴や散歩などを楽しんでもいい。墓石などはなく、遺族は森全体をお参りの対象として訪れることができる。 埋葬の際に森の中で行うお別れの会や生前葬も相談可能だ。契約金の一部は〈RETURN TO NATURE〉の森の保全に充てられ、国内外で森づくりを行う森林保全団体にも寄付される。
more trees(東京都)
植林、整備、多様性……あらゆる側面から手がける森づくり。 〈more trees〉は1990年代より社会課題にコミットし続けた音楽家・坂本龍一さんが創立した森林保全団体。生活スタイルの変化による木材需要の減少、それに伴う林業の衰退により、手入れの行き届いていない人工林が増えている日本の森の課題と向き合う。 保全活動を進める国内20ヵ所の森では、間伐などの適切な森林整備のほか、人工林の約7割を占めるスギやヒノキだけでなく、その土地の風土に適した樹種を植樹し、多様性に富んだ自然に近い森へと戻す取り組みを行う。
2023年9月には、坂本さんの友人のひと声から、彼の遺志を継ぐ植樹ドネーションプラットフォーム「TREES FOR SAKAMOTO」が始動。第1弾の寄付先は国内外5つの森林から選択できる。「考える時は悲観的に、行動する時は楽観的に」。坂本さんがメンバーに託した思いを胸に、森と人がずっと共に生きられる社会を目指す。
生活者と森をつなぐ手段として、オリジナルプロダクトの製造・販売も行う。建築家の隈研吾によるつみき。
forenta(全国)
森林を年間契約で借りられるサービス。 アウトドアブームをきっかけに2020年11月にスタートした森林レンタルサービス〈forenta〉。プロデューサーで、林業会社を営む田口房国さんは、キャンプをするために山を買う人が現れ始めたことで危機感を覚えたという。 「都市部の人が買うと、キャンプに飽きた後に山が放置状態になる可能性があるからです。一般の人が森に足を運ぶきっかけになること自体はすばらしい。そこで森を年間契約でレンタルできるサービスを始めました」。