料理愛好家という肩書きにした理由は…平野レミさんの「料理を好きになる」ために大事なこと
私は来世でも“料理”をやる!
小竹:『平野レミの自炊ごはん』という本が出版されましたが、これはどういう方に向けて作られた本ですか?
平野:学校を出てこれから世の中に旅立っていく人。あと、これから結婚する人とか、パートナーがいなくなって1人になっちゃった人とか。そういう人たちに向けての自炊の本。自炊は自由奔放に好きなことができるんだから。 小竹:制限がないですもんね。 平野:人のことを考えなくていいんだもん。ただ、自分に元気がなくちゃいけないから、5大栄養素が入ってるかとか、たんぱく質が足りてるかとか、健康のことも考えて自由に作るっていうこと。 小竹:「食べればチンジャオロースー」という、口の中で完成する料理もありますね。 平野:チンジャオはピーマンのことでロースーは細切り肉のこと。だから、生のピーマンの中に肉を炒めて乗っけてガブリと食べれば、それでチンジャオロースーでしょ。しかもすごくおいしいし。
小竹:「食べれば角煮」というのもありますね。 平野:角煮はタレが大事なのよ。このタレがおいしいから、角煮じゃなくてしゃぶしゃぶ用の肉でも、このタレで食べたら口の中で角煮になっちゃうの。 小竹:このタレは確かにおいしそうですね。紹興酒、はちみつ、醤油、オイスターソース、長ネギ、しょうが、にんにく、八角。
平野:これは本当においしいから、いっぱい作って冷凍庫に入れといて、いろんな料理に使うといいと思う。 小竹:作るしんどさなどもないように考えられていますよね。 平野:杏仁豆腐じゃなくて、安心豆腐という料理もあるの。低カロリーで安心、固める手間がないから安心、火を使わないから安心、初心者でも作れるから安心。だから安心豆腐。でもちゃんと杏仁豆腐の味がするのよ。 小竹:レミさんは料理をする方のお悩みにやさしく寄り添っている感じがしますし、名前もワクワクしますね。食卓に安心豆腐って言って出したら、子どもも喜びそう。 平野:三谷幸喜さんが息子さんに作ってあげたって言ってたけど。 小竹:今後、レミさんが取り組んでいきたいことは? 平野:昔はいろいろな料理を作ったけど、今は簡単で手早くできておいしい料理が一番。簡単でまずい料理はいっぱいあるけど、簡単でおいしい料理がいい!(笑) 小竹:なおかつワクワクする感じですね。 平野:そうね。だから、来世も私は料理をやる。来世もまた女をやりたいな。 小竹:子どもの頃は「俺」って言っていたのに…(笑)。 平野:なんで「俺!俺!」って言ってたんだろうね(笑)。 (TEXT:山田周平) 【ゲスト】 ■平野 レミさん 料理愛好家、シャンソン歌手。家庭料理を作り続けた経験を活かし、料理愛好家として活躍。「シェフ料理」ならぬ「シュフ料理」をモットーに、テレビ・雑誌等を通じて数々のアイデア料理を発信。レミパンやジップロンなどのキッチングッズの開発も行う。エッセイ「おいしい子育て」は、第9回 料理レシピ本大賞のエッセイ賞を受賞。著書は50冊以上。新刊の「平野レミの自炊ごはん」がダイヤモンド社より好評発売中。 X: @remi_hirano https://twitter.com/remi_hirano Instagram: @remy_kitchen https://www.instagram.com/remy_kitchen/ 【パーソナリティ】 ■クックパッド株式会社 小竹 貴子 クックパッド社員/初代編集長/料理愛好家。 趣味は料理。仕事も料理。著書『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』『時間があっても、ごはん作りはしんどい』(日経BP社)など。 X: @takakodeli https://twitter.com/takakodeli Instagram: @takakodeli https://www.instagram.com/takakodeli/
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