料理愛好家という肩書きにした理由は…平野レミさんの「料理を好きになる」ために大事なこと
自分の「ベロ」を信じて料理をしていくことが大事
小竹:昔は料理本というと、割と難しい料理が多かった印象があって、簡単で気軽にできる料理を切り開いたのがレミさんだと思うんです。 平野:「皆様、みじん切りはこうやるんですよ」みたいなのがすごく苦手で。私は気が短くて無精だから、簡単にポンッてできるような料理じゃないと嫌だったの。だから、そういうテレビは見てなかったわね。 小竹:お母さんに教えてもらった? 平野:そうそう。自分のベロを信じて好きなことをやってたかな。 小竹:私はクックパッドにいるので、クックパッドにあるいろいろな方のレシピを作りながら覚えましたね。 平野:それはいいことね。それで私だったらこうするとかね。 小竹:そうなんですよ。変えていって、やっと自分の味が見つかったという感じです。 平野:楽しいわよね。もう自分だけの世界だもんね。
「少ない食材で簡単に作れておいしい」がテーマ
小竹:ご家族のために料理を作っていたところから、今は人に伝えるというお仕事をされていますが、レミさんが料理愛好家として今大事にしていることは? 平野:料理本を見て、長々といろいろと書いてあって、たくさんの食材が必要だと嫌になっちゃうじゃない。だから、少ない食材で少ない調味料で簡単にパパッとできておいしいというのが私のテーマかな。 小竹:簡単にできるレシピで、何かオススメのものはありますか? 平野:新しい本に載ってるけど、えのきの硬いところだけ取って、あとは全部くっついてるから、くっついたまんまバターをひいたフライパンの中に入れて、ヘラでギューッてぺちゃんこにしちゃう。それに醤油をかけるとすごくおいしいの。
小竹:しっとりしてる感じですか? 平野:しっとりしてる。でも、歯に挟まる(笑)。 小竹:本にも書いてありますね。歯に詰まるのだけ気をつけてって(笑)。
「食べることが大好き」になれば料理も好きになる
小竹:長く料理を伝える仕事をしている中で、主婦の方が変わってきたなと思う部分はありますか? 平野:キッチンに立ってる時間は短い方がいいってみんな望んでると思う。 小竹:私はずっとキッチンにいるのが好きなんです。 平野:それはお料理が大好きな証拠よ。 小竹:なんで立ちたくないんですかね? 平野:私も気がつくと1日中キッチンに立ってたっていう日があるの。すごく楽しいんだけど、あの楽しさをわかってもらうにはどうしたらいいのかな。 おいしいものを作った感動があったら、また作ってみようという気持ちが出てくると思うんだけどね。 小竹:そうなんですよね。料理が嫌いだけどやらなきゃいけないと相談されたときに、どう答えようかといつも悩むんです。 平野:「食べることが大好き」という気持ちにさせることしかないかな。みんなに食べてもらっておいしいと言われたら自分もうれしいと感じるから、相乗効果でどんどん高まるから作ってみようって。 小竹:うんうん。食べることを楽しむのも大事ですよね。