広島・アドゥワ誠はマエケン以来9年ぶりとなる高卒投手10勝なるか!?
セ・リーグ首位を走る広島の投手陣が圧巻だ。8月18日終了時点(以下同)のチーム防御率2.23は12球団トップ。セ・リーグでは5位の312得点という得点力不足を補って余りある。 広島ドラ1の常廣の剛速球 今年はアドゥワ誠(松山聖陵出身)の活躍が著しい。8月6日にはプロ初完封で2018年に並ぶキャリアハイの6勝目をマークした。そんなアドゥワは2016年ドラフと5位で指名を受け広島に入団。2年目に一軍デビューを果たすといきなり中継ぎで53試合に登板しチームの優勝に大きく貢献した。 翌2019年は19試合(先発14試合)と先発に転向。3勝5敗、防御率4.32と成績自体は目立たなかったものの高卒3年目で投球回数は91回2/3。将来の先発ローテーションを担う存在として期待をかけられていた。しかし以降は右肘を痛めたことで低迷。トミー・ジョン手術を受け2020年から2022年までの3年間は一軍登板がなかった。 長いリハビリを経て昨シーズン4年ぶりの一軍復帰を果たし14試合に登板。そして今シーズン見事に開花しつつある。 今シーズンここまでアドゥワは14試合の登板で77回2/3を投げ6勝3敗、防御率3.13の成績を残している。次回登板は完封した6日から約2週間も空いた23日の巨人戦と見られている。首位攻防戦として負けられないが、規定投球回への到達はやや難しい。しかし自身初となる2桁勝利は十分に射程圏内だろう。 広島の投手陣では床田 寛樹(箕面学園高→中部学院大)、九里 亜蓮(岡山理大附高→亜細亜大)、大瀬良 大地(長崎日大高→九州共立大)、森下 暢仁(大分商高→明治大)、野村 祐輔(広陵高→明治大)、岡田 明丈(大商大高→大阪商業大)の6人が2桁勝利を経験している。その5人はいずれも大卒からのプロ入りであり、高卒でプロ入りをした投手では現在タイガースでプレーする2015年の前田 健太(PL学園)まで遡る。 アドゥワは広島の高卒出身投手として前田以来9年ぶりの2桁勝利を達成できるだろうか。優勝を争うなかで投げることになる残り約1ヶ月半。アドゥワの投球に期待がかかる。