気付いた時にはパンクする!? 知らないと損するラジエーター選びの新常識と失敗しないポイント~カスタムHOW TO~
ラジエーター交換チューニングは必要なのか。ラジエーターはエンジン冷却水を冷却するための装置。エンジン内部の熱を奪って温度が上がった冷却水を走行風に当て、温度を下げてエンジンに戻すという役割をしている。
◆ラジエーターの役割って何なの?
水冷エンジンにおいて、エンジン冷却水の温度は最も重要なこと。温度が高すぎればエンジンに重大なダメージが起きてエンジンブローにつながってしまう。そこで冷却水の水温を適正に保つ必要がある。
古くからチューニングの世界ではパワーアップに合わせてラジエーターのチューニングが行われてきた。それはエンジンパワーの増加に合わせて発熱する熱量が増え、水温が高くなってしまうからである。
そこで銅製ラジエーターの厚みを増した2層式や3層式などと呼ばれるラジエーターに交換したり、アルミ製のラジエーターに交換するなどのチューニングが行われてきた。
ラジエーターは空気と熱交換をして冷却水の温度を下げているので、表面積が多い方が有利。より大きなラジエーターが有利となるが、市販車の場合スペース的にラジエーターを大きくすることは難しい。そこでラジエーターの厚みを熱いものにして、その分表面積を増やそうと言うアプローチが行われてきた。
◆ラジエーターの性能差は表面積を広げる事だけじゃない
それ自体はもちろん理論的にも間違っていないが、問題はいかにして風が抜けるかが大切。ラジエーターに当たった風が通り抜けるときに熱を奪っていくので、風が抜けなければ温度は下がりにくい。
なので、ラジエーターの厚みを厚いものにすると、表面積は増えるが走行風が通り抜けにくくなるので、必ずしも 冷却性能がアップするとは言い切れないのだ。どれだけの流速で走行風が当たるかによって左右されるので、サーキット走行や高速道路など速度の高い風が当たる場合は、厚いラジエターでも問題ない。
だが、ミニサーキットや街乗りなど速度域の低いところで使うと、むしろ分厚いラジエーターは性能を発揮しにくくなってしまい、水温が思ったように下がらないこともあるのだ。