気付いた時にはパンクする!? 知らないと損するラジエーター選びの新常識と失敗しないポイント~カスタムHOW TO~
そのあたりは各メーカーによって設計が異なる。厚みを熱くした分、チューブとチューブの間に入れられている放熱用のフィンのピッチを粗くして、風の抜けを良くしているものもある。薄めのコアにフィンピッチを細かくして、薄いけれども風が抜けるときに多くのフィンと熱交換をできるように設計しているものもある。
また、高速サーキットなどだけを考えれば、厚みの薄いラジエーターにフィンピッチは細かい物で積極的に走行風を当てて抜く方が効率が良い場合もある。そういったステージに合わせて適したものが変わってくるので、どこそこのメーカーのラジエーターを冷える。どこどこのメーカーのラジエーターは冷えないといった。一概に言えるものではなく、使い方によって大きく変わるのだ。
また、材質によっても性能が異なる。一般的には、銅製の方が自己放熱性能が高いので、街乗りをメインとした流速の低い速度域で使うのであれば、銅製の方がよいと言われていた。
◆結局の所、銅最強説は本物なのか?
アルミ製ラジエーターは自己放熱性能は劣るので、速度域の高いサーキットの方が適していると言われてきた。実際材質としての性能はそのようになるが、現在日本ではアフターパーツの銅製ラジエターの販売は少なく、ほとんどのメーカーがアルミ製になっている。
そのかわりアルミ製ラジエーターでも速度域の低いところでも十分に放熱性能が出せるように各メーカーでは設計しているので、そういったモデルであれば街乗りで使用しても全く問題は無い。そもそもラジエーターを高性能にすれば、放熱性能は上がるが水温も安定すると思いたいが、水温が何度になるかはラジエターと言うよりも、むしろサーモスタットに依存する。
サーモスタットは設定温度になると開き、ラジエーターに冷却水を送る。設定温度以下ではラジエーターに水を送らず、エンジン内部だけで循環してエンジンが早く温まることを促すようになっている。
市販車で普段乗りの場合、エンジンの発熱よりもラジエーターの放熱性能の方が高い。そのためサーモスタットが90度で開く設定であれば、水温は常に90度付近を行ったり来たりしている。