【キーンランドC】回収率は後方待機組に軍配 ダノンマッキンリーは血統から洋芝適性あり
有力馬の血統を解説
・ナムラクレア 昨年のキーンランドC勝ち馬で、芝1200mのGⅠでは5、2、3、2着という現役屈指の芝スプリンターです。3代母Coup de Genie(1993年モルニ賞、サラマンドル賞)はMachiavellian(1989年モルニ賞、サラマンドル賞)の全妹という良血。Northern Dancerの血量が多い反面、母母Fountain of Peaceが同血脈を持たない配合のバランスも素晴らしいです。牝馬が調子の良い夏場でもあり、今年も主役の一頭であることは間違いありません。 ・サトノレーヴ 芝短距離GⅠ・2着2回のハクサンムーンの半弟。ロードカナロア×サクラバクシンオーの本馬も芝短距離路線で活躍し、父母の組み合わせからも晩成気味の成長曲線を描いています。北米血統のワンペースなスプリンターではないため、キーンランドCの舞台適性も低くありません。別定戦でさらに相手関係は強くなりますが、まだ底を見せていないことから今回も注目の一頭となりそうです。 ・ダノンマッキンリー 母ホームカミングクイーンは2012年英1000ギニー優勝馬で、本馬の半姉にはアイルランドの2歳GⅠ馬Shale(2020年モイグレアスタッドS)などがいます。デインヒル系Holy Roman Emperorの影響から早熟性とスピードに優れ、Sadler's Wellsの血を持つことからも洋芝適性は十分。脚が溜れば強烈な末脚を発揮できる馬であることから、序盤の運び方次第で一変まで期待できる素質馬です。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大