子どもに言うことを聞かせたくて、大きな声で注意していませんか?洗足学園小学校・前校長が教える、子どもの心に届く<しつけ>の方法
◆正しいことは小声でよいのです 親が子どもと接するうえで気をつけなければいけないのは、正しいことは大きな声で注意をしないということ。「正論であればあるほどゆっくりと落ち着いて伝える」ことが大事です。 正しいことなのですから大声で威圧する必要はありませんし、強く言う必要もないのです。 このことを勘違いすると、正しいことでも相手の心に届きません。 言い方や態度に反発して素直になれず、内容も納得できなくなることはよくあるものです。正しいことほど穏やかに話しましょう。 子どもの教育は勝ち負けではありませんから、子どもと論争して打ち負かす必要はありません。 言うことを聞かせようとすると、ついつい、理屈の応酬となり、相手を言い負かす、または言い負かされるという、まるで勝負のような状況ができあがってしまいます。 このような相手の弱点を突くようなやり方は、子どもを相手とする教育の現場では考えものです。 子どもは弱点だらけです。論破しようと思えば簡単に勝てるでしょう。子どもの正しい成長を導くためには、気持ちに寄り添うことです。 子育てに勝つも負けるもないのです。 親のほうが勝ち負けの目線で考えるのは、もってのほかです。 ※本稿は、『心を育てる中学受験-全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
吉田英也
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