〈食べログ3.5以下のうまい店〉ひと口食べるとハッと驚く、潔いコーンスープ。日本料理のエッセンスを感じるフレンチ
お米は福岡県の苺農家である広川いちご園が作る「にこまる」「夢つくし」「ヒノヒカリ」などの特別栽培米を使用。 白砂糖や香料を使用せずとも満足感を出す工夫や研究も欠かさない。甘みは主にブラジル産の有機さとうきびから作られる原料糖を使用。主役となる食材はもちろん、調味料に至るまで丁寧に厳選した食材を使用することで、身体に負担の少ない料理が完成する。
ちなみに、不定期で、端材を使用したカレーやパスタソースなどの冷凍のレトルトも販売している。「ご家庭でも安心・安全な食事を楽しんでいただきたい」という黒田シェフの思いからで、環境にも優しい試みだ。Instagramのストーリーでお知らせしている。
ゲストの来店時間に合わせて焼き上げる自家製パンも魅力のひとつ。カウンターで焼きたてのパンをカットすると、フワッと湯気が立ち上る。バターにもこだわり、ニュージーランドの牧草だけをエサとして飼育された牛のミルクで作られたグラスフェッドバターを使用。
外川さん「食材について尋ねると、生産者さんの思いも丁寧に伝えてくれ、強い信頼関係があることが伝わってきます。」
「素材の味を感じてもらうため、手を掛け過ぎない」がモットー|甘々娘の冷製コーンスープ
「甘々娘(かんかんむすめ)の冷製コーンスープ」に使用する食材は、厳選したとうもろこしと海塩のみ。とうもろこしの芯で出汁を取った潔い仕立てだ。黒田シェフは「素材の味を活かすことを日本料理の大将から教わりました」と語る。とうもろこしは、徐々に銘柄を変え、7月末頃まで提供予定。
ペアリングで日本酒の「すっぴんるみ子の酒」の生原酒を合わせている理由をマダムはこう語る。「油脂がない料理のため、ワインよりも日本酒が合います。料理も日本酒も余計なものが入っていないもの同士なので相性が良く、しっかりと寄り添います」
外川さん「冷製コーンスープは、口にするとハッと驚かされる味わいです。クリーム感ではなく、とうもろこしのうまみや甘みで勝負しているといった印象。」
穴子のリゾット
「穴子のリゾット」は、特別栽培米の「にこまる」を米糠が付いた状態から炊いている。串打ちして焼いた穴子を食べやすいサイズにカットしてのせ、その上に穴子の骨を煮詰めて赤ワインと合わせたソースを。チーズもクリームも使用しており一見濃厚そうだが、非常に軽やか。仕上げにかけた山椒と赤ワインから感じるスパイシーさが見事に重なり合う。