〈食べログ3.5以下のうまい店〉ひと口食べるとハッと驚く、潔いコーンスープ。日本料理のエッセンスを感じるフレンチ
外川さん「「リゾットというより雑炊」という黒田シェフの説明が腑に落ちる味わいです。香ばしい穴子が贅沢にのって満足感たっぷりですが、なんとも軽快な食後感。」
爽やかさや軽やかさに魅了される、身体思いのフランス料理|あおさ海苔と茸のパテを塗って焼いたマナガツオ 甘夏のソース
優美な魚料理「あおさ海苔と茸のパテを塗って焼いたマナガツオ 甘夏のソース」は、あおさ海苔とブラウンマッシュルームのパテを塗った瀬戸内産のマナガツオを、上下の火加減を調整できる調理器具・サラマンダーで火入れ。ソースに使用する甘夏は、愛媛県宇和島でみかんを栽培する高木農園から仕入れている。もともと農水省にいて柑橘を研究し続けている園主の高木信雄博士による独自の栽培法の柑橘は風味が格別だ。
仕上げに添えたディルの花は、黒田シェフの両親が栽培するもの。合わせるワインは、フランスのロワール地方で、夫婦で営むワイナリー、リズ・エ・ベルトランの「ジュセ プルミエ ランデヴ」で、ワインが持つジャスミンのようなニュアンスが、コクの中にも爽やかさを感じる甘夏のソースと重なり合う。
外川さん「魚の火入れがうっとりしてしまう絶妙さ。ディルや甘夏が爽やかで、夏に食べたくなる爽やかな魚料理です。」
アマゾンカカオのオペラ
市販のチョコレートは有名なメーカーでも香料を含むため、「アマゾンの料理人」の異名を持つ太田哲雄氏が直接ペルーで仕入れたクリオロ種カカオから作られたテンパリング前のチョコレート(カカオマス)である「アマゾンカカオ」を使用。コーヒーシロップを染み込ませたカカオ生地、カカオとアールグレイのムース、ガナッシュを薄く6層に重ねている。小麦粉や白砂糖を一切使用せず、米粉や原料糖を代用した完全無添加のデザートは、レシピ作成に最も時間がかかったそう。ディナーコースでたまに登場するとのことなのでお楽しみに。
外川さん「フランス料理のデザートにオペラと聞くと、ちょっと重いかと思いきや、驚くほどテンポよく食べてしまう口当たり。さすがパティシエ出身!とデザートは毎回感動させられます。」
シェフの料理にマダムがセレクトするワインが寄り添う
ワインや日本酒は、シェフの料理との相性を考慮してマダムが厳選している。「ひたすら味わいをチェックして選んでいるのですが、自然とナチュラル、ビオディナミ、オーガニックのワインが多くなります」。