老後の家をどうする? DV離婚したシングルマザー、トリプルワークで娘を2人育て上げ。扶養家族がいなくなり「税金が増えた!」
昨年は、モトザワ自身が、老後の家を買えるのか、体当たりの体験ルポを書きました。その連載がこのほど、『老後の家がありません』(中央公論新社)として発売されました!(パチパチ) 57歳(もう58歳になっちゃいましたが)、フリーランス、夫なし、子なし、低収入、という悪条件でも、マンションが買えるのか? ローンはつきそうだ――という話でしたが、では、ほかの同世代の女性たちはどうしているのでしょう。「老後の住まい問題」について、1人ずつ聞き取って、ご紹介していきます。 * * * * * * * ◆離婚シングルマザーの須磨子さん 同じバツイチでも、離婚後の生活は、子どもの有無によって大きく違うでしょう。子どもがいなければ、シングルに戻っても自分一人を喰わせていけばいいだけですが、シングルマザーになったら、子供たちには、教育費などのお金も手間や時間もかかります。子どもが社会人になるまでは、たとえ定期収入があったとしても、経済的には厳しいでしょう。 首都圏の賃貸マンションで一人暮らしをしている須磨子さん(仮名、59)は離婚シングルマザー。娘2人がようやく社会人になって家を出て、完全な「おひとりさま」になりました。実家の工場の手伝いと近所の子どもに教える個人塾、時々フリーの翻訳家、というトリプルワークで生計を立てています。老後の家は、まだ考えられないようです。 ***************** 須磨子さんがいま住んでいる賃貸マンションは、私鉄駅徒歩10分強。3DKで家賃は11万4000円。娘2人を連れて夫と別居した11年前から借りています。居住者が変わった時には大家に連絡する決まりのため、下の娘が独立した昨春、一人暮らしになったことを伝えました。すると大家は、「えっ」と絶句しました。 「ああこれか、って思った。年を取ると、一人暮らしは嫌がられるんだ、って実感した」と、須磨子さんは振り返ります。 須磨子さん一人だと、将来、家賃が払えなくなったり、最悪、孤独死したりするかもしれません。そのリスクを大家は憂えたのでしょう。ただ、一瞬うろたえた大家はすぐに軟化。「まあ、でも法人契約だから、大丈夫ですよね」と、住み続けることを了承してくれました。ほっとしました。
【関連記事】
- 独身女子、老後の家をどうするか。会社の転勤で京都に出会う。東京と京都の2拠点生活、定年後は京都へ「Iターン」か
- 71歳、ひとり暮らしの料理研究家が勧める「ひとり定食」 どんぶり1品でもOK!バランスがとれていれば、おなかも心も満足
- 『クローズアップ現代』で高齢おひとりさまの終身サポートについて特集。おひとりさまサポート会社代表が「老後のひとり暮らしを満喫する人」に見出した<ある共通点>とは
- 明日の『虎に翼』あらすじ。杉田(高橋克実)の「穏便に済ませる」という提案を断った寅子(伊藤沙莉)。高瀬(望月歩)を「きちんと処分する」と告げるが…<ネタバレあり>
- 次回の『光る君へ』あらすじ。年の暮れに出産したまひろ。宣孝(佐々木蔵之介)は約束通りに<我が子>として育て始めるが…<ネタバレあり>