老後の家をどうする? DV離婚したシングルマザー、トリプルワークで娘を2人育て上げ。扶養家族がいなくなり「税金が増えた!」
◆次女を出産した頃から始まったモラハラ 須磨子さんが結婚したのは1993年、27歳の時でした。学生時代から交際していた夫は、須磨子さんのことが大好きで、お姫様扱いしてくれる優しい人に見えました。「なんで結婚したかなあ。たぶん、自分に自信がなかったんだよね。何者でもなかったから」。会社勤めを一度もしないまま、いきなりフリーの翻訳家デビューをしてしまったため、本当にこれでいいのかと、自分に自信がなかったそうです。結婚して誰かの妻になることで社会とつながれる、居場所ができる、その安定感が欲しかったのではないか。そう、須磨子さんはいま振り返って分析します。 結婚した翌年に長女を、更に6年後に次女を出産。ところが徐々に、夫は須磨子さんに「バカだ」「何もできない」などと、罵詈雑言を浴びせるようになりました。言葉のDV、モラハラです。 「きっと仕事が出来ない人だったんだよね。なのに家まで購入するから大変だったんでしょう。買わなくて良いのに無理するから」 ストレスのはけ口が妻だったのに違いありません。須磨子さんは実は、夫よりも偏差値の高い難関私大の出身でした。モトザワには、夫は須磨子さんにコンプレックスがあり、その裏返しで、貶める暴言を吐いていたように見えます。 ことに夫はお金に細かく、ケチでした。車は、買い物と子どもの送迎以外は使ってはいけないとされました。須磨子さんが勝手にどこかへ運転していないか、メーターをいつもチェックされていました。 買い物も、レシートで内容を精査されました。生活必需品しか支出を許されません。ママ友ランチ代はいわずもがな、美容院、服、化粧品のお金は須磨子さんが出しました。子どもが映画を観たい時も、家計からは子どもの分だけで、「自分も楽しんだんだから、あんたは自分で出せ」。生理用品も「ぼくは使わないから自分で出せ」、須磨子さんの病院や検診の費用すら、「これってぼくが出すの?」。これらの出費のためにも、須磨子さんは稼ぐ必要があったのです。家計簿を付けろと言われましたが、管理の厳格化を恐れた須磨子さんは「できない」と拒み、代わりにレシートを見せていました。「みんなができることが出来ないなんて、なんて低脳なんだ」と夫には罵られました。
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