なぜ阪神は満塁策を取らなかったのか…一塁が空いている9回一死二、三塁でオスナと勝負して逆転サヨナラ負け
阪神が勝ちゲームを落とした。17日、神宮球場で行われたヤクルト戦で9回まで1点をリードしていたが、“守護神“の岩崎優(30)が踏ん張れずに痛恨の逆転サヨナラ負けを喫した。不可解だったのは同点にされ、なお一死二、三塁でホセ・オスナ(29)と勝負した場面。一塁が空いていたが満塁策を取らずにカウント2-0から勝負してライトへのサヨナラ犠飛を許したのだ。これで今季5度目のサヨナラ負け。1点差ゲームは5勝14敗となりベンチワークが勝敗のカギを握る接戦になると阪神は勝てない。
四球出塁の山田の好走塁から青木が同点タイムリー
9回に悪夢が待っていた。 1-0のしびれるスコアでマウンドに上がったクローザーの岩崎が、先頭の山田にストレートで四球を与えた。今季14試合目の登板にして初の四球。続く4番の村上はレフトの島田がフェンスに張り付いてギリギリでキャッチするヒヤっとするフライに打ち取ったものの、5番の中村に変化球に食らいつかれてセンター前に落とされた。 一塁走者の山田は、打球が詰まっていたことと、近本の“弱肩“を計算に入れて、自らの目で判断して二塁を蹴ってから一気に加速して三塁を狙った。2回には、レフトに不慣れな大山が、同じようなシチュエーションでエンドランでスタートを切って三塁を狙った一塁走者の村上を刺殺していたが、ゴールデングラブ賞の近本は山田を刺すことはできなかった。 一死一、三塁とされ打席には6番で起用されている青木。 「哲人(山田)がいい走塁をしてくれて、ちょっと気持ちを楽に打席に入れました」 青木からすれば、ヒットはなくとも、内野ゴロ、あるいは、犠飛という最低限の仕事で同点にすればいいと、打席での狙いが切り替わっていた。 岩崎はスライダーを3球続けた。ボールとなった初球、外角でストライクを取った2球目と、青木が反応せずに見逃したことで、バッテリーは真っすぐ狙いと読み、もう3球目も同じボールを選択したのかもしれない。だが、日米通算2000本安打を誇り、この日、試合前にNPB通算1500試合出場を表彰された歴戦のバットマンに同じ球種の3球連続は通用しない。 右中間を襲う同点のタイムリー二塁打。ベース上で青木は雄叫びをあげ、ベンチに向かって右手でガッツポーズを作った。