「結構打たれた」と7回6安打1失点を評した佐々木朗希はなぜ無傷の4勝目を手にできたのか…修正力と「勝てる投手」の条件
千葉ロッテの佐々木朗希(20)が13日、京セラドーム大阪でのオリックス戦に先発、7回で86球を投げて6安打7奪三振無四球の1失点でハーラートップタイに並ぶ無傷の4勝目を手にした。最速は163キロをマークしたものの、フォークの制球が安定しないなど調子は良くなかったが修正、対応を重ねながら、勝負どころでギアチェンジする粘り強い投球でリードを守った。“完全男”が「勝てる投手」の条件を身につけつつある。
オリックス打線が徹底した佐々木対策
敵地のファンが耳をそばだてていた。 ヒーローインタビューに指名されたのは、7回を1失点に抑えて4勝目をマークした佐々木。マイクの前で礼儀正しく両手を後ろで組んだ。 「打たれながらでしたけど…打たれながらだったんですが、うまく打たせて取りながら投げることができました。(オリックスは)本当に素晴らしい打線なので、どうにか1失点に抑えることができてよかったなと思います」 86球でマウンドを降りた。余力はあったかどうかと聞かれ、「結構ヒットを打たれながらだったのですが、どうにか7回までギリギリ投げることができました」と、真摯に答えた。 6本のヒットで「結構打たれた」と感じるのも無理はない。佐々木のイメージにも先月10日のオリックス戦での完全試合、そして続く17日の日ハム戦で8回まで完全試合を続けたピッチングの残像が残っているのだろう。 佐々木にとって2つの“因縁“があった。 その背中越しに視線があった。二塁塁審に、先月24日、この京セラドーム大阪でのオリックス戦で球審を務めた白井審判。ストライク、ボールの判定に不服を訴えたとして、マウンドに詰め寄る行動を起こして物議を醸した人物だ。 そしてオリックスは完全試合を成し遂げた相手である。新型コロナの陽性反応が出た吉田正尚を欠くオリックス打線は、徹底した佐々木対策を講じてきた。 パの野球に詳しい元阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトの評論家の池田興親氏が指摘した。 「バットを短く持ち追い込まれる前の早いカウントからストレートをセンターから逆方向へコンパクトに叩く。基本ストレートに絞り、目付を高くして、フォークが抜けて浮いてきた場合は、それを狙う。吉田正がいないので、池田、野口のルーキーがスタメンに2人並ぶ若い打線になったが、全員が佐々木対策を徹底していた」