なぜ横浜DeNAは虎の1、2番”チカナカ・コンビ”の7安打7得点2本塁打の爆発を防げなかったのか…配球ミスと失投が重なる
横浜DeNAが14日、横浜スタジアムで行われた阪神戦に2-9で完敗した。近本光司(27)、中野拓夢(25)の1、2番コンビに7安打7得点と暴れられ、中野は2本塁打を含む4安打で“サイクル未遂“。昨季4敗、防御率1.91の“天敵”青柳晃洋(28)も6回2得点と攻略できずに連敗を喫した。ちょっとしたボタンの掛け違えが大差負けに…。それが野球の怖さであり、メンバーが揃わず苦闘している横浜DeNAが波に乗れない課題でもある。
「ちょっとやられすぎた」
虎の”チカナカ・コンビ”にハマスタをわが物顔で暴れられた。2人で7安打7得点。中野にいたっては2本塁打、二塁打、中前打で、あと1本、三塁打が出ていればサイクルヒットの大爆発である。 “番長”三浦監督が嘆く。 「1、2番の状態がいいことの報告はあった。対策はやった。ちょっとやられすぎたかな。あれだけ出塁されると得点に変わりますよ」 貧打に苦しむ阪神打線に火をつけてしまったのは、先発の上茶谷である。5回を投げ切ることができず7失点。ここまで5試合に先発して2勝2敗ながら、セのトップの防御率2.04をキープしていたが、3.38の10位まで急落した。 三浦監督は投手出身監督らしく「こういう日もある」と上茶谷をかばったが、「上位にやられて立ち直るきっかけをつかめなかった。反省すべきところは反省して次に備えてもらいたい」と苦言も呈した。 頭を使えば、配球で虎の1、2番コンビの爆発を防ぐことができたかもしれない。 初回に先頭の近本にヒットを打たれると、続く中野を0-2と追い込んでから抜けたフォークを痛打された。そして続くマルテもまた0-2と追い込んでから甘いツーシームを外野まで飛ばされての先制犠飛。 さらに3回も無死一塁で中野に初球にフォークを選択。それが落ちなかった。中野自身が「入ったかどうかの感触がなかった。正直、(フェンスを)越えてくれという思いで走っていました」という2ランである。 三浦監督は「(2打席続けて)フォークを投げたことは悪くない。空振りを取りにいった結果、ゾーンにいった。失投」と指摘した。 ただ失投で片づけていたら先はない。 1回も中野へのフォークが落ちず、一死二塁から佐藤には、要求通りに内角にストレートを投じたが、ボールひとつ分、制球が甘く球威もなかった。ファウルにも空振りにもならずライト線に入るタイムリー二塁打となった。 加えて中野は超積極打法である。この日の上茶谷の調子を考えれば、失投の起こるべき可能性の高いボールを選択すべきではなかったし、ここは慎重にボールゾーンを使うべきだった。 南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた“名将”故・野村克也氏は、「初球の選択こそが最も重要で、なぜ、そのボールを選んだかの根拠を示せ」と、口酸っぱく言っていた。