色調を決めてワードローブを作る。
いつでもどこでも、足元は革のブーツ。
「足元は革で覆われるに限ります(笑)。アトリエでの仕事も、山でのハイキングも、いつでもブーツ。柔らかいから街用、硬い革のマウンテンブーツは山用にと、もちろんシチュエーションで使い分け。」
「足に馴染むまではくじけそうになりますが、経年変化した革のブラウンほどいいものはないって、みなさんご存じでしょう?」
自然と共存する茶色い小物。
「茶色って色には野性的な素材の良さが詰まっています。知り合いのハンターからもらったディアスキンを加工せずに作ったストールやグローブは、銃弾の痕もそのままで使っています。ウサギの前足のキーホルダーはボクのラッキーチャームで、いつでも一緒。茶色には手仕事の匂いも感じます。ネクタイは知人のオペラ歌手が興行の合間に編んでくれたもの。ナローベルトは余った革の端材を繋ぎ合わせて、自分で夜中にコツコツと作ったもの。木の根を使ったハンドクリームも手仕事もの。サングラスやマッチは茶色に惹かれて。左下はバーキット。ワインオープナーやオリーブ刺しがゴールドの筒に収納できるようになっているんです。色はまあ近いでしょ(笑)」
「ソックスはウールの軍もの。よく〈ファルケ〉もはいていますよ。アンダーウェアだけは白かグレーのブリーフと決めています。意識はそれほどしていないのですが、どれもドイツものですね」
麦の穂や木の葉も立派な素材に。
「こちらはドイツの収穫祭で農民たちが豊作を祈願して身につける伝統的なコサージュにインスピレーションを得て自分で作った飾りです。麦の穂と木の葉を使ったプリミティブなクラフト感はボクのワードローブにもよく合うので、ジャケットの胸に挿したりして遊んでいます。赤と白のコットンの組み紐はヴィンテージですよ」
リュックサックは好きな素材の組み合わせで。
「表地には圧縮ウールを使い、底部にはディアスキン、そしてバッグ内側にはリネンを使っています。バックルは全部ヴィンテージ。ボクの好きな素材を集約していったら、いつの間にか出来上がったようなリュックサックです。素材本来の色合いがミックスされたカラーリングは自然とまとまって見えますね。〈サイルマーシャル〉と一緒に作りました」