アクティファイ、PXE起動でデプロイも可能なキッティングツール
アクティファイ(旧社名:ネットジャパン)は、システムインテグレーターやVAR/OEM向けに、PXE起動でのデプロイ(配信)も可能になったコンピューター用キッティングツール「Actiphy Rapid Deploy」を、11月14日にリリースした。 企業や官公庁、学校などの教育機関が新たにPCを導入する場合、OSやアプリケーションのインストール、ネットワークをはじめとした各種設定など、すぐに業務で使える状態にセットアップする必要がある。この作業を「キッティング」と呼んでいる。PCでは、Windows 10のサポート切れが2025年10月に迫り、文部科学省のGIGAスクール構想では全国に一斉導入された端末の更新が開始され、PCの入れ替え需要が拡大している。さらにオフィス移転、在宅作業や外勤などワークスペースの多様化などの理由により、大量のPCキッティング作業がPC管理担当者に求められている。 Actiphy Rapid Deployは、マスターの作成が簡略化され、高速配信が誰でもすぐに行えるように設計されているため、人材不足や働き方改革の推進が叫ばれるなか、限られた作業スペース、時間や人数でも、効率よくキッティングを行うことができる。 具体的には、すべてのPCに共通する設定を施した「マスターPC」のイメージをデプロイ用USBメモリーに格納して複数のPCへデプロイすることで簡潔にキッティングが行える。PCのUSB起動やネットワーク経由で複数PCへの一斉デプロイが可能。ネットワークでのデプロイ時は独自開発のTCP-SlideCast技術によって、デプロイ先PCの数に影響を受けずに、配信サーバーやネットワークの負荷を抑えた高速なデプロイを実行できる。また、同じデプロイ用USBメモリーのみを単体で使用して、スタンドアロンでのデプロイも行える。Actiphy Rapid Deployは、デプロイ用メディアを作成する「Deploy Media Creator」と配信サーバー「ImageCast Server」で構成されている。 今回、新機能としてImageCast ServerにネットワークブートシステムのPXEサーバー機能を実装した。デプロイクライアント用のブートイメージからPCをリモート起動してデプロイすることができる。これにより、デプロイクライアント用のブートメディアを作成していなくても、ImageCast Server用に一つだけメディアを作成すれば、ネットワーク配信が可能となる。PXE起動にはiPXEを採用したため、従来のTFTPベースに比べて高速なPXE起動を実現できる。 デプロイ済みのクライアントPCリストを使って、デプロイイメージを再デプロイできるようになった。学校の教室などで複数のPCを定期的に初期化したい場合などに便利な機能となる。また、デプロイイメージの再デプロイの際、各PCの前まで行かなくてもImageCast Serverのコンソールから指定したPCをリモート起動してデプロイが可能。さらに、デプロイが終了したクライアントをリモートでシャットダウンすることもできる。キッティング現場でDHCPサーバーを用意できない場合は、ビルトインのDHCPサーバーを使用してWake on LANからのPXE起動が可能となっている。