‟欲求”のほとんどがポチる事で解決する…と文筆家・川島如恵留(Travis Japan)は思っている
私は家に帰ると先ず電気をつけるためにスイッチをポチッとするところから始まります。玄関先だけは人感センサーを導入しているので自動的に明るくなるのですが、洗面所以降は手動になるため洗面所の電気のスイッチを人差し指と中指と薬指を器用に使いこなして3つ同時に押します。これには専門的な訓練が必要なレベルで特殊技能だと勝手に思っています。 という事で早速ここで私は3つもスタンプをゲットするのです。やったね。 そして洗面所でのルーティンが終わればスマートスピーカーに「電気を点けて」と話しかける事でスマートにハンズフリーで寝室が明るくなります。残念ながらスタンプはゲットならず… その後寝室の電気を声で消してコンタクトレンズから眼鏡に切り替える為に再び洗面所へ行き、同じく器用に電気を消してリビングへ向かうとまたここでも明るくする為に2つスイッチをポチります。この時点で既に8個もスタンプが貯まるのです。 何を隠そう、ここでいうスタンプとは「ありがとうポイントカード」にのみ有効の限定のスタンプのことです。 え、そんなものがどこにあるかって? 自分の心の中にあるんですよ。当日限り有効の珍しいポイントカードが。 大した特典も変哲もないただの自己満足のポイントカードだけれども、今日も沢山能動的に動いた自分と自分の為に働いてくれたスイッチやボタンへの感謝と労いの気持ちを忘れない為に作り出した遊び心のあるカードです。 沢山貯まったら夜にアイスのご褒美を自分にあげちゃってもいいかなと思わせてくれるくらいの可愛げあるカードという事にしています。 何か見返りがあるから貯めているわけではありません。たまたま結果的に貯まったところにラッキーが転がっていたと思う事が肝なのです。 当たり前にしている事に意味を与える事が出来ればその瞬間に満足度を持たせる事が出来るし、その先にぼた餅が降ってきたらただただ嬉しい。平静を装いながらも小さくガッツポーズを決め込めるような自分でいる事が日々に潤いを与えてくれるということに気付いたから、ここ最近はこのポイントカードを貯めていく事に心を弾ませるようになっているのです。 家に帰ってきてくつろぎ始めるまでに、10個くらいスタンプが貯まるこのポイントカードを想像するだけで「今日もよく集めたなぁ」と、ニコニコ出来るのが嬉しいのはきっと私だけかもしれません。