無神経な言動にモヤモヤ...「一緒にいると疲れる人」と距離を置く5つの方法
心が疲れる原因の多くは、人間関係にまつわることだと言われています。一緒にいて疲れる人とは、無理をしてつきあうよりも、上手に距離を取りながら、ほどほどにつきあうことが大切です。心理カウンセラー、公認心理師のみき いちたろうさんが人付き合いのコツをお話します。(取材・文:洪愛舜) 【心が軽くなる言葉】人間関係が良くなる8か条 ※本稿は、『PHPスペシャル』2024年6月号より内容を抜粋・編集したものです。
「友だち100人できるかな」が、人間関係の悩みを生む
自分が疲れてしまう相手とは距離を取るのが一番ですが、そんな人ともうまくつきあっていかなければと思う人が多くいます。なぜそのように考えるのかというと、日本における人間関係は、大人になっても学校時代のカルチャーがベースになっているからです。 まず小学校では、「みんな仲良くしましょう」「友だち100人できるかな」という考え方が基本で、苦手な人とも仲良くすることが求められます。 中学生くらいになると第二次性徴で心が発達して、学校での人づきあいも急激に複雑になりますが、コミュニケーションの方法について詳しく学ぶ機会はなく、我流でなんとか乗り切ろうとすることが大半です。その結果、人間関係の悩みを解決できないまま、卒業してしまうこともあります。
固定観念にとらわれていませんか?
「みんなと仲良くしなければならない」という固定観念や、学生のときにうまくいかなかった経験、反対にこれでうまくいったという経験が、人間関係のベースになっている人が多いのですが、大人の人間関係は自由です。 「合わない」と感じる人とは距離を置いてもいいですし、仲良くしていた人であっても、状況が変わればつきあい方を変えてもいいのです。人間関係に、「こうあらねばならない」はありません。それは、たとえ家族であっても同様です。 まずは、自分が持っている人間関係における固定観念や、学校時代のカルチャーを脱ぎ捨てたうえで、次からの基本スキルに進んでいただければと思います。
疲れる人と距離を置くための5つの基本スキル
固定観念を脱ぎ捨てたら、距離を取るための基本スキルを押さえましょう。 1. 無理に共感しない 近年、「共感すること」や「相手に寄り添うこと」が人間関係において大切だと言われています。もちろん、共感することが必要な場合もあります。ただ、基本的に「共感する」というのは、相手に巻き込まれている状態であり、相手を支配しようとしている人からの被害に合いやすいということも覚えておきましょう。 大切なのは、「自分」と「他者」とをしっかり区別すること。無理に相手の領域に入り、共感する必要はありません。「共感しないと冷たい人だと思われるのでは」と恐れずに、自分の気持ちを優先するようにしましょう。