巨人大物OBが「村田切って1年で中島獲得」の“ぶれぶれ矛盾補強”に疑念と批判
巨人の大型補強が止まらない。新外国人にパドレスで今季20発を打ったバリバリのメジャーリーガーの大砲、クリスチャン・ビヤヌエバ(27)を獲得、オリックスを自由契約になった中島宏之(36)とも契約を交わした、FAでは西武の炭谷銀仁朗(31)、広島の丸佳浩(29)にアタック。炭谷の巨人入りも濃厚で原辰徳新監督のバックアップ体制が整いつつある。 またオリックスに自由契約を申し入れた金子千尋(35)、マリナーズから離れた岩隈久志(37)の獲得調査も進めているという。 来季の巻き返しに必死だが、昨年オフには、今季から2軍打撃コーチとして復帰した村田修一を戦力外にするなど、球団は、広島に倣い若手育成型のチーム構築に舵を切ったはずだった。しかし、その方針が、監督が変わると同時にたった1年で転換、また後戻りするという矛盾にファンや関係者の間からは疑念と批判の声が出ている。 巨人OBで、元西武、ヤクルト監督の広岡達朗氏も、その一人だ。 「原にはチームをどう立て直すかの期待を寄せているのだが、また昔に戻ったような巨人の補強の仕方には疑問を抱く。なぜ36歳の中島を獲得したのか。昨年、村田を戦力外にして、2軍、3軍の生え抜き育成に力を入れると聞いたとき、やっと巨人もわかってきたかと思っていたが、後戻りした。おそらく中島は右の代打なんだろう。本当に使える選手ならばオリックスは手放しませんよ。まだ4番を打たせるのは早いと思うが、やっと岡本(和真)というチームの生え抜きの主軸を作ったのに、なぜ内側から育てることを我慢してやらないのか。まったくバカげている。理解しがたいね」 奇しくも村田がクビになった当時の年齢が、36歳。中島も同じく36歳で、しかも右打者とくる。 中島は、今季77試合に出場して、打率.289、5本塁打、34打点、出塁率.356、得点圏打率.328の成績。村田のクビになった年の成績は、118試合に出場、打率.262、14本塁打、58打点、出塁率.331、得点圏打率が.290だった。 中島への期待は右の代打の切り札で、得点圏打率に両者の違いはある。だが、推定年俸は村田が2億2000万円、中島が3億5000万円と中島の方が高額。今回、オリックスに1億円を提示され、自由契約を選択した中島を、推定1億5000万円で契約したようだが、村田は、約50%ダウンの1億円でも承諾しただろう。 鹿取義隆GM-高橋由伸監督体制では、村田は切られ、大塚淳弘球団副代表編成担当、長谷川国利スカウト部長―原監督の体制では、中島に背番号「5」が与えられる好待遇で、原監督は「コンディションがいいこと」を条件にオープン戦で結果を残さなくとも開幕1軍を確約した。 優勝から4年遠ざかり、いくら背に腹は変えられないと言えど、たった1年で、こうも球団の編成方針が変わっていいものだろうか。あまりに日和見主義の球団の編成方針に広岡氏が疑問を持つのも無理はない。