タイガー・クイーン妹分の“デビュー戦で重傷”はなぜ起きたのか? Sareeeの“危険な技”論争も拡散…プロレスラーのケガと、ファンはどう向き合うべきか
このところ、またプロレス界で選手のケガが話題になっている。 プロレスラーはケガをしてはいけないし、させてはいけないと言われる。不注意や技量不足で“出番”に穴をあけては(あけさせては)いけないのだ。 【実際の写真】デビュー戦でタイガー・プリンセスが“負傷した瞬間”の実際の写真。リング横で応急処置→車椅子で搬送され…記者が目撃した一部始終を写真で見る。 ただ、どれだけ注意してもプロレスにケガはつきものでもある。ケガをしたくてする選手、させたくてさせる選手はいない。 11月2日、マリーゴールド札幌大会では団体頂点の“真紅のベルト”ワールド王座を保持するSareeeの必殺技・裏投げが“危険な技”ではないかと指摘されることになった。 タイトルマッチ前哨戦として高橋奈七永とタッグ戦で闘ったSareeeは裏投げを決めたのだが、高橋の後頭部から首にかけてマットに突き刺さるような形に。高橋は救急車で病院に運ばれ、脊柱起立筋損傷によりタイトルマッチは1カ月延期となった(12月13日にSareeeが王座防衛)。 この負傷のことは記事にもなり、また試合の映像が配信されると、裏投げの場面が切り取られてXで拡散。Sareeeには誹謗中傷も含む批判が数多く届いたという。また現役選手と元選手による“論争”も。 Sareeeの裏投げで相手がケガをしたのは間違いない。ただ、だからといって即座に“Sareeeの裏投げは危険”と言えるのだろうか。
“裏投げ問題”ではなく“受身問題”の可能性も
多くの人間が数秒の切り抜き動画だけを見て批評、批判をしているのだが、大事なのは普段との比較ではないか。高橋が負傷した裏投げは、いつものそれより落ちる角度がきついものだった。 別の試合の写真では、投げ方を相手によって変え、受身の取りやすさを調整しているようにも見える。毎回、高橋に放ったような角度で投げているわけではない。 Sareeeの裏投げそのものが悪いのか、失敗して角度がいつもより急だったのが悪いのか。その区別をつけた議論が必要だ。その上で、どんな技にでも失敗はあると言わなければならない。その意味では、プロレスはすべての技が“危険”ではある。 技の受け手が、あえて綺麗に投げられることでダメージを軽減するということもあるという。そう考えれば高橋の“受け”に着眼する者もいて当然だ。“裏投げ問題”という言葉を使う記事もあったが、むしろ“受身問題”の可能性もある。
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