タイガー・クイーン妹分の“デビュー戦で重傷”はなぜ起きたのか? Sareeeの“危険な技”論争も拡散…プロレスラーのケガと、ファンはどう向き合うべきか
デビュー戦で負傷したタイガー・プリンセス
もう一つ、触れておきたいのが12月5日のストロングスタイルプロレス後楽園大会だ。“女子版タイガーマスク”タイガー・クイーンのホームリング。今回はタイガー・クイーンの妹分ともいえるタイガー・プリンセスのデビュー戦が行われた。 対戦相手はジャガー横田と藪下めぐみ。SSPW女子タッグ選手権試合である。昨年12月の王座決定トーナメント決勝では、ジャガー&藪下がタイガー・クイーン&梅咲遥に勝って戴冠。クイーンにとってはリベンジ戦、プリンセスはデビュー戦にしていきなりのタイトルマッチとなる。 それだけ主催者からの期待が大きかったということだろう。クイーンにとっても、またストロングスタイルプロレス女子部門にとっても、プリンセスの登場は勢いをつける好機になるはずだった。 リングインしたプリンセスは堂々たる佇まい。コール時には人差し指を高々と掲げてみせ、その姿は様になっていた。だがどうしてもベテラン2人にペースを奪われてしまう。初戦だから緊張もあったのだろう。 反撃のきっかけになるはずだったのが、コーナーに飛び乗って反転しながらのボディアタックだ。ところが踏み切りの際に足が滑ったか、不完全な形で飛ぶことに。飛距離が足りずジャガーのヒザにぶつかると、着地の際に左腕も痛めたようだ。 それでも蹴りを一発返してクイーンとタッチしたプリンセス。自軍コーナーで腕を押さえたまま立ち上がることができない。孤軍奮闘したクイーンだったが、ジャガーの丸め込みで3カウントを聞いた。
考えられる“2つの要因”
様子を見ていると、プリンセスのケガはかなり重傷だった。応急処置を受けると、車椅子でエレベーターへ。そしてそのまま救急車で病院へ向かった。 試合中、いかにもという“危険な技”などなかった。コーナーから反転してのボディアタックは、特に難易度が高いというわけではないはずだ。 ここで考えなければいけないのは注目度の高いデビュー戦というシチュエーション、それに(おそらく初めての)マスクを着けての実戦という要素だ。マスクを着けると視界が大きく遮られ、着けてない状態に比べて著しく動きにくいという。 プロレスは難しい。そう言うしかない。Sareeeと高橋奈七永、菊田一美と杉浦透、そしてタイガー・プリンセス。ケガの要因は様々であり、個別の例があるだけだ。一律にここをこう直せばプロレスが安全なものになるというわけではない。
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