転ばないためには、実は足の指と甲の柔軟性が大事だった!【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!③】
【親指ストレッチ】 1 椅子に座り、右脚の膝を曲げて左膝に乗せる。右手で足首あたりを持ち、左手で足の親指を反らせて10秒キープ。ゆっくり元に戻し、脚を組み替えて左足も同様に行う。これを10回行う。 赤丸のあたりを、右手で軽く押さえて行い、足底腱膜の張り具合を確認しながら行う方法もある。
足指の骨をつなぐ靭帯を伸ばす
「5本の足指の骨(中足骨)は、一体となって衝撃を吸収したりバランスをとったりするために、5本の中足骨を束ねるように靭帯が伸びています。ちょうど扇の要のようになっていますが、この靭帯は小さい靭帯なので加齢の影響を受けやすく、硬くなり可動域が狭くなってしまいます。 足底面から親指で押して、反対に他の指を足の甲から添えて左右に引き伸ばすようにすると、この小さな靭帯がストレッチされます。 土踏まずは、縦のアーチと横のアーチというふたつの橋梁構造を持っていて、荷重を分散したり、バランスをとったりしていますが、このストレッチは横のアーチを正常化するのに役立ちます」 【足の甲のストレッチ】 1 椅子に座り、右脚の膝を曲げて左膝に乗せる。両手の親指をそろえて、足裏の土踏まずの少し上部に置いて、左右の4指で足の甲を包む。
2 ゆっくりと両手の親指で足裏を押しながら、甲を左右から丸める。土踏まずの部分に卵があって、それを包み込むようなイメージだ。ゆっくり甲を伸ばしたら10秒キープして元に戻す。これを10回繰り返す。 脚を組み替えて、左足も同様に。
お風呂上がりなど、体が温まっているときに行うといいだろう。一日靴に押し込んで酷使した足をいたわるように、または運動不足で筋力低下が気になる人は足の血流を促すような気持ちで行う。 このストレッチを行うことで痛みを感じる場合は無理をせず、一度、整形外科で診てもらって。
【教えてくれたのは】 大渕修一さん 理学療法士。東京都健康長寿医療センター 研究所・福祉と生活ケア研究チーム研究部長。国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院卒業後、米国ジョージア州立大学大学院にて理学修士号、北里大学医学部大学院にて医学博士号を取得。北里大学医療衛生学部助教授などを経て現職。専門は理学療法学、老年学、リハビリテーション医学。著書に『70歳からの筋トレ&ストレッチ』(法研)など多数。 イラスト/green K 取材・原文/山村浩子