転ばないためには、実は足の指と甲の柔軟性が大事だった!【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!③】
40歳を過ぎた頃から、なんでもないところでつまずく、小さな段差で転びそうになるといったことがないだろうか? そんな人は足まわりの筋肉の柔軟性が失われつつあるのかも!? では今からどんなことをしたらいいのだろう? 理学療法士で東京都健康長寿医療センター研究所・研究部長の大渕修一さんに伺った。
年齢とともに靭帯の弾性が低下して足まわりが硬くなる
人生100年時代、いつまでも自立した生活を送るためには、筋肉を維持することが大切。筋肉のケアは何歳になっても効果があるが、今から運動習慣をつけることが大切だ。 この連載では主に、足や手といった末端の筋肉や機能を強化する方法を紹介しよう。 ※足や手の大切さについては、第1回<○力が弱い、○○が遅い人は、将来の要介護予備軍!?>参照。 「年齢とともに一般に足の関節の靭帯の弾性が低下し、可動域が少なくなってきます。膝や足首だけでなく、足を構成する小さな関節が硬くなり足まわり全体が硬くなる傾向があります。 特に親指の柔軟性は大切です。親指が十分に反らないと、歩くときにブレーキとなったり蹴り出しの力が伝わりにくくなります。そのため、同じスピードで歩いたとしても若いときより、より多くのエネルギーが必要となるため、余計に歩くのがおっくうになってしまいます。 足の親指の可動域は、親指の付け根(母趾中足趾節関節・ぼしちゅうそくしせつかんせつ)を横から見たときに約90度ほど反る必要があります。ここの柔軟性が失われて、可動域が狭くなると、歩行で疲れやすくなったり、足首や膝がそれを補おうとして使いすぎになって痛みを生じたりします」(大渕先生)
ストレッチで足の親指と足底腱膜の柔軟性をアップ!
そこで行いたいのが、足指を反らせるストレッチだ。 「足指を反らせると、中足趾節関節のストレッチになるだけでなく、歩いたときに痛みを発生しやすい足底腱膜(そくていけんまく)のストレッチにもなります。 足底腱膜は足の指の付け根からかかとまで、足の裏を膜のように張っている筋膜です。足底面の親指の付け根やかかとの前方の痛みがある場合には、足指を反らせて足底腱膜を十分にストレッチすると、歩くときの足底腱膜のストレスが軽減します」