扶養から外れないよう「月収8万円」におさえていますが、普通に働けば「月10万円」ほど稼げそうです。社会保険料を考えると損でしょうか?
月収8万8000円以上でも扶養に入れる場合がある
月収が8万8000円を超えても、扶養に入れる場合があります。社会保険料の支払い義務がパート、アルバイトに生じるのは、次の5項目をすべて満たした場合だからです。 ●学生ではない ●従業員51人以上の企業で働いている ●所定内賃金が月額8万8000円以上 ●週の所定労働時間が20時間以上 ●2ヶ月を超える雇用の見込みがある 上記のうち該当しないものがあれば、月収が8万8000円を超えていても、扶養内で働ける可能性があります。ただし、年収が130万円を超えると、ほかの4項目にかかわらず社会保険料が発生します。
社会保険のメリットとデメリット
社会保険に入るべきか、扶養内で働き続けるべきか悩んでいる人もいるでしょう。社会保険の加入を検討する際は、現状や将来を見据え、恩恵と負担を整理することが大切です。そこでここからは、社会保険がもたらすメリットとデメリットを解説します。 ■メリット1:将来の年金受給額が増える 厚生年金保険に加入することで、「厚生年金」を受給できます。受給額は在職中の給料、および加入年数などに比例し、支払い分を上回る額を受け取れる可能性もあるでしょう。 なお、厚生労働省と日本年金機構が公表している「社会保険適用拡大ガイドブック」によると、月収10万円で厚生年金に加入した場合、厚生年金(報酬比例部分)の年金月額の目安は、表1の通りです。 表1
出典:厚生労働省・日本年金機構「社会保険適用拡大ガイドブック」を基に筆者作成 ■メリット2:医療保険の給付が充実する 傷病手当金や出産手当金など、医療保険の内容が充実します。具体的には、病休期間中や産休期間中に、給与の3分の2相当が支給されます。 ■デメリット:手取りが減る デメリットは現役時代の手取りが減少することです。現在のお金に困っている場合や、いつでも引き出せる貯蓄として管理したい場合などは、社会保険料が負担になるかもしれません。
月収を8万円から10万円に増やしても損にはならないと考えられる
今回の試算では、月収10万円の場合の社会保険料は、月1万5241円という結果になりました。10万円から1万5241円を引くと8万4759円であるため、月収を8万円から10万円に増やしても、収入上は損にはならない計算です。ただし、社会保険料は年齢や地域によって変動する点に注意してください。 なお、社会保険への加入は、現役時代の手取りを減らす一方、将来への備えが充実することにもつながります。加入を検討する場合は「社会保険がなくとも、将来の蓄えは足りるか」「社会保険料を徴収されても、家計は成り立つか」といった視点をもつといいでしょう。 出典 厚生労働省・日本年金機構 社会保険適用拡大ガイドブック(1、7ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー 監修:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部