【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】サーキットでもドラマでも、チャンピオンの偉大さを感じました
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE20 2024年シーズンの最終戦となる第24戦アブダビGPがヤス・マリーナ・サーキットで開催され、マクラーレンのランド・ノリスが優勝。マクラーレンが26年振りのコンストラクターズ・チャンピオンに輝いた。F1参戦4年目を自己最高のドライバーズランキング12位で終えた角田裕毅(つのだ・ゆうき)は、レッドブル昇格の期待が集まったが、王者マックス・フェルスタッペンのパートナーにはリアム・ローソンが就任することになった。 【写真】「100点満点のシーズン」と角田選手の活躍を讃える堂本光一 * * * ■アロンソとハミルトンのすごさを再認識 アブダビGPで2024年のレースがすべて終了しましたが、近年まれに見る面白いシーズンでした。開幕からの10戦でレッドブルとマックス・フェルスタッペン選手が7勝を挙げ、「ああ、また今シーズンもレッドブルとフェルスタッペン選手がチャンピオンか。勢力図は昨年(2023年)と変わらないかなあ......」と思っていたら、中盤からマクラーレンが速くなり、フェラーリ、メルセデスもコースによって強さを発揮し、チャンピオン争いは混戦模様になっていきます。 開幕からのスタートダッシュがなかったら、フェルスタッペン選手はタイトル4連覇を達成できなかったかもしれません。でも苦しい状況に立たされたあとのフェルスタッペン選手のパフォーマンスはすごかった。毎戦、マシンのベストパフォーマンスを引き出して、ライバルの前に立ちはだかり続けました。 そんなフェルスタッペン選手の真骨頂を示したのが雨のブラジルGPです。パワーユニット(PU)交換のペナルティで17番手からのスタートになりましたが、あきらめずに果敢に攻め続け、劇的な逆転優勝を飾ります。あの気迫のこもった走りを見ると、フェルスタッペン選手は取るべくしてタイトルを取ったとも感じましたね。 上位から下位まで大混戦で面白いレースが続きましたが、2023年シーズンに大躍進したアストンマーティンが沈んでしまったのは残念でした。最終的なコンストラクターズ・ランキングは5位で昨年と同様ですが、獲得ポイントは280点から89点と半分以下です。それでもフェルナンド・アロンソ選手は気がつけば入賞圏内にいましたね。最終戦のアブダビでもアロンソはきっちりと9位入賞していました。 ルイス・ハミルトン選手も、なんだかんでいって上位に入ってきます。今シーズンのハミルトン選手は予選の一発に関しては苦しみ、チームメイトのジョージ・ラッセル選手の後塵を拝する場面が多かったですが、決勝では巻き返してきます。戦略の立て方やタイヤの使い方がうまく、レース巧者です。 12シーズン在籍したメルセデスでの最後戦となったアブダビGPでは16番手スタートとなりましたが、見事な追い上げを披露し、最終ラップにラッセル選手を抜いて4位でフィニッシュします。ハミルトン選手やアロンソ選手はどんな状況でも決してあきらめず、少しでも上を目指してゴールまで戦い続けます。彼らの走りを見ると、やっぱり偉大なドライバーは偉大だなとあらためて感じました。