アルピーヌ、パワーユニット開発中止だけでなく車両開発スタッフも200人リストラ……しかしその効果は絶大? オークス代表「スリム化は正しいと証明できた」
アルピーヌF1は、2024年シーズンを上昇基調で終えることに成功し、コンストラクターズランキングでも大逆転で6位を手にした。このことは、現在チーム内で進められている運営の合理化が正しい道だったことを示していると、チーム代表のオリバー・オークスは語った。 【動画】角田裕毅、インディカーを初ドライブ! ハイテックの代表を務めていたオークスは、ルノーCEOのルカ・デ・メオに招聘される格好で、2024年シーズン途中からアルピーヌF1のチーム代表に就任。時をほぼ同じくして、フラビオ・ブリアトーレも同チームのエクゼクティブ・アドバイザーに就任している。 ルノーは2026年からの新レギュレーション用パワーユニット(PU)の開発を進めていたが、これを破棄することを決定。この2026年からアルピーヌは、メルセデスのカスタマーPUを搭載することとなった。これにより、F1プロジェクトの支出が大幅に抑えられることになる。 アルピーヌF1の再建策はこれだけではない。オークスとブリアトーレは、シャシー部門の組織再編にも着手。スタッフの数は1100人から900人まで削減されることになった。 ただアルピーヌは、2024年シーズン後半にパフォーマンスを急激に向上させ、コンストラクターズランキング6位を獲得することに成功。オークス代表はこのことについて、チームのスタッフ数を削減する再編は「正しいこと」だったことが証明されたと語る。 「再編が行なわれていたのは、ヴィリー(ルノーのPU開発部門)だけではなく、エンストンの施設(アルピーヌの車体開発部門)でも同じことをしていたんだ」 オークス代表はそう語った。 「それが正しいことだったと証明できたと思う。結局のところ、F1のどのチームも常に向上を目指すとともに、効率化も目指している」 「予算上限がある世界では、適切な部分にリソースを投入していることを確実にしておく必要がある。そして話題の中心は、良いレーシングカーを製造してレースに出るという一番大事なことに集中する必要があるということだったと思う」 「良いクルマを作り、レースに出場するというのが本当の精神なんだ」 「エンストンのスタッフは、今や約900人になった。F1では誰もが、人員の数について語る。それは当然のことだ。その人員の数を予算制限内か外か、そしてギヤボックスやサスペンションを自社で製造しているかで計算する人もいる。我々は車両の全てを製造している。それを考えると、比較的小規模なチームのひとつだと私は思っている」 オークス代表は、チームが中団グループの先頭の地位を確実にするために必要なモノは全て揃っていると考えている。しかし、それが実現する期日については明言しなかった。 「エンストンは、F1では他のほとんどのファクトリーよりも長い歴史がある。しかし、適切な量のリソースを持っている。我々のリソースの主なモノは優秀な人材であり、我々のチームには素晴らしい人材が数多くいる」 「ここ数年、多額の投資が行なわれてきた。これは結局のところ、グループ(ルノー)からのサポートとコミットメントの表れでもある。新しいシミュレータ、新しいテストベンチなど、必要なモノは全て揃っている」 「しかし我々は投資を続けている。それが、F1の世界に足を踏み入れて驚かされたことのひとつだ。レースカーに何を求めるかという希望のリストだけではない。その周辺のモノも全てそうだ。決して止まることはない」
Filip Cleeren