【陸上】日本選手権みどころ女子トラック編/パリ五輪内定の田中希実が3種目挑戦 100mHは田中、福部が五輪出場に向けて熱戦
200m鶴田玲美は好記録Vで五輪に前進 スプリント2冠目指す君嶋に、御家瀬が迫る
ここまでに紹介した種目以外では、現時点のワールドランキングでパリ五輪出場可能なターゲットナンバー圏内に入る選手はない。また、参加標準記録もハイレベルとなっており、五輪出場には高いハードルが待ち受ける。 その中で、五輪出場の可能性を秘めるのが200mの鶴田玲美(南九州ファミリーマート)だ。今年2月にはニュジーランドでで23秒06(+3.3)をマークしたほか、5月末の中国・重慶では向かい風1.2mで23秒58の2位と海外で好成績を残し、調子に乗る。 ターゲットナンバーに入るには1202点以上が必要だが、日本選手権での優勝(100点)と23秒32(1102点)以内でその条件をクリアできる。他国の状況次第だが、自己記録(23秒17)に近いタイムを出せば、パリへの道も開ける。 100mは5年前に高3で100mを制した御家瀬緑(住友電工)が好調。6月7日には5年ぶり自己新となる11秒37(日本歴代6位)をマークしている。米国を拠点にし、経験も積んだ。日本選手権でも〝5年ぶり〟の歓喜が訪れるかもしれない。 ただ、いずれの種目でもディフェンディングチャンピオンとして君嶋愛梨沙(土木管理総合)が立ちはだかる。世界リレー直前に脚を少し痛めて代表を辞退したが、その後の布勢スプリント100mで優勝を飾り、不安を払拭。大舞台での強さを見せつけられるか。 若手では昨年のインターハイ100m、200m2冠の山形愛羽(福岡大)に注目。日本学生個人選手権では100m11秒41、23秒53と自己新を連発し、その勢いで初の日本選手権のタイトルも視野に入れる。また、世界リレー代表の青野朱李(NDソフト)、三浦愛華(愛媛競技力本部)にも力がある。 400mは岩田優奈(スズキ)が今季リストトップ。久保山晴菜(今村病院)も前回チャンピオンとして簡単に負けるわけにはいかない。過去2度の優勝経験があり、リレーの日本代表として牽引してきた松本奈菜子(東邦銀行)は、肉離れからの回復状況次第となりそうだ。 400mハードルではブダペスト世界選手権代表の山本亜美(立命大)と宇都宮絵莉(長谷川体育施設)の一騎打ちか。山本は静岡国際で57秒16と今季のタイムで一歩リードし、4連覇に照準を合わせる。対する宇都宮は海外転戦を経ての参戦。55秒台での優勝争いに期待したい。 トラック種目最初の決勝となる3000m障害は齋藤みう(日体大)、西山未奈美(三井住友海上)、吉村玲美(クレーマージャパンTC)の三つ巴の争いが予想されている。 パリ行き、さらには来年の東京世界選手権を占う上でも重要な一戦。4日間、新潟での熱戦の模様はライブ配信されるほか、NHKでも放送される。 ◇パリ五輪代表内定条件 ・参加標準記録+優勝 ・各種目最大3人 ※後日選考の優先順位=ワールドランキングで出場権獲得+3位以内(※早期内定者のいる種目は上位2位) ◇テレビ中継 1日目/6月27日(木) NHK BS18:00~20:00 2日目:6月28日(金) NHK BS 18:30~19:30/NHK総合 19:30~20:42 3日目:6月29日(土) NHK総合16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル 4日目:6月30日(日) NHK総合16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル
月陸編集部