人気集める家事代行の最前線 食事作らない「罪悪感」は消えたのか #昭和98年
首都圏を中心に、共働き世帯をターゲットとした冷蔵総菜の定期配達サービスが人気を集めている。 2020年のサービス開始以降、順調に事業を拡大し、5月中旬にサービスエリアを首都圏のみから関西~東北へと大幅に広げた。 配達されるおかずを並べるだけで「食卓」が完成する手軽さが人気の理由だ。
仕事と家事の両立を研究する専門家は、「大半の世代で、家事の外注に対する罪悪感、強い拒否感が減ってきている」と指摘する。 利用者の声やサービス提供の現場を取材した。(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
共働き夫婦の夫は「食事について考えるのが恐ろしく苦痛だった」
都内在住の会社経営者Mさん(31)は、総菜の宅配サービス「つくりおき.jp」が始まったばかりの時期から使っている「常連客」だ。 Mさん夫婦はお互いフルタイムで働きながら、4歳の息子を育てている。会社員の妻(31)が育児休業から復帰し、毎日の食事づくりの壁にぶち当たった。 「出前を取ったり、スーパーで総菜を買ってきたりして毎日をしのいでいたんですが、『今日は夜ご飯どうしようか』という妻とのやりとりが恐ろしく苦痛で。 何かサービスがあるだろう、と検索して、出てきたのが『つくりおき.jp』でした」
つくりおき.jpは、週に1度、3食分か5食分の総菜をまとめて個人宅へ配送する。 3食分か5食分は利用者が選ぶ仕組みだ(週ごとに変更が可能)。
量は大人2人子ども2人の4人家族相当分で、メニューは週替わり。 3食分の場合は主菜が3品、副菜が5品(9580円/週)、5食分は主菜が5品、副菜が6品(1万4980円/週)だ。
「ピーマンの肉詰め」や「豚こまのキノコクリーム煮」「回鍋肉」といった和洋中、さまざまな家庭料理を提供する。 注文はLINEから行い、週ごとに注文するか、休むかを選べる。 Mさんは、3食分コースを利用。配達される総菜は主に夫婦2人の6日分の食事として利用する。
届いたら6日分に小分けにして冷凍し、食べる時に解凍する。子どもは好みがはっきりしているので別途作り置きしている。 利用したことで、家庭はどう変化したのか。