【専門医が解説】40代からのホワイトニングは歯を強くする!歯のクリーニングから歯科のホワイトニング、ホームホワイトニングまで全部解説
年齢とともに歯が黄ばんできた気がする…。実はそれは気のせいではない。40歳を過ぎるとお肌の衰えと同様、口元の印象も気になってくる。そこで、歯を白くする方法を、歯科医で歯学博士、厚生労働省歯科医師臨床研修指導医、東京医科歯科大学非常勤講師を務める、照山裕子さんに聞いた。
歯のくすみが気になるならクリーニングから!
年齢とともに、歯は少しずつ黄ばみが強くなり、隣のかぶせ物の歯と自分の歯に色の差が出てきて気になる…そんなふうに感じる人もいることだろう。歯はどうして黄ばんでくるのだろうか? 「私たちの歯の表面にあるエナメル質は半透明で、内側にある黄味を帯びた象牙質の色が透けて見えています。年齢とともに象牙質の厚みが増すため、相対的に歯が黄ばんで見えることは自然な現象なのです。エナメル質がすり減って薄くなっていく場合は、よりいっそう黄ばみが増すことも考えられます」(照山先生) 特に日本人は欧米人に比べて歯の色が黄色いといわれているが、エナメル質の厚みや性状には人種の差があるのだ。このため、海外で手に入れた歯磨剤などは日本人に合うとは限らない。自己流のケアは大変危険を伴う行為だ。 「歯を白く見せるためには、エナメル質の外側にこびりついたコーヒー、紅茶、赤ワイン、タバコのヤニなどの着色汚れや歯垢、歯石などを取ってリセットすることが基本になります。自分自身の歯本来の色を取り戻せます。 こうした目的で行う歯科医院でのクリーニングをPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といいます。定期的に行うことで、歯のくすみが取れ、虫歯や歯周病の予防や早期発見につながるので、習慣にすることをおすすめします」
ホワイトニングで歯が強くなる…という利点も!
歯の色を明るく見せる第1ステップがPMTCで、歯の汚れを徹底的に除去する。自分の歯本来の色がわかったところで、さらに明るく美しく見せるためには、薬剤を使ったホワイトニング(漂白)という方法がある。誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。 「歯の表面に過酸化水素を主成分としたホワイトニング剤を塗布することで、エナメル質をすりガラス状に変性させ、内側にある象牙質の黄ばみを隠す仕組みです。また。歯に含まれる色素を分解する効果もあります。 薬剤を使うことで、歯へのダメージがあるのでは? と考える方もいますが、医師の処方に基づいて行う医療ホワイトニングであれば安全です。過酸化水素は消毒薬として使用されるオキシドールと同じ成分なので、用法をきちんと守れば歯を傷める心配はありません。殺菌作用があり、虫歯の予防効果もあるといった研究報告も出ています。 さらに、歯の表面にあるタンパク質の膜(ペリクル)が薬剤の作用で分解されるので、エナメル質がミネラル成分を取り込みやすい状態になります。 ホワイトニングをした直後にこうした成分を作用させることで、歯を強くする効果が期待できます。歯の表面の凹凸がなくなることで、着色汚れが起きにくい環境に整えることもできます。 施術直後はコーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなど、色がつきやすい飲食物の摂取には多少の注意が必要ですが、年齢が上がれば上がるほど差がつきやすい部分なので、トライする価値は十分にあると思います」