【専門医が解説】40代からのホワイトニングは歯を強くする!歯のクリーニングから歯科のホワイトニング、ホームホワイトニングまで全部解説
即効力があるオフィスホワイトニング、優しい作用のホームホワイトニング
こうしたホワイトニングにはふたつの方法がある。ひとつは歯科医院で行うオフィスホワイトニング、もうひとつは自宅で行うホームホワイトニングだ。では、それぞれの手順を見ていこう。
《オフィスホワイトニングの手順》 PMTCでしっかり汚れを除去する。 ▼ 歯茎に保護剤を塗る。 ▼ 白くしたい歯にホワイトニングの専用薬剤を塗る。 ▼ 光やレーザーを当てて反応を促進させる(光照射がいらないタイプも開発されている)。 ▼ 薬剤を除去。これを2~3回繰り返す。 ▼ エナメル質を強化するミネラル成分を塗布して、表面をコーティング。 ▼ 歯の色を確認する。 ◆オフィスホワイトニングのメリット 歯科医師のもとで行うため高濃度の過酸化水素が使用できる。患者さんごとに合う薬剤を見極めて的確な処置ができるので、短時間で確実な効果が実感できる。 ◆オフィスホワイトニングのデメリット 一時的に知覚過敏のような症状が起きるなど、薬剤の刺激を感じることもある。
《ホームホワイトニングの手順》 歯科医院で自分の歯型に合ったマウスピースを作製して、薬剤とともに自宅に持ち帰る。 ▼ 歯磨きでしっかり汚れを落とす。 ▼ マウスピースに薬剤を注入して、毎日1~2時間装着する。 ▼ 歯についたジェルを歯ブラシで落とす。マウスピースはよく洗浄し、乾燥させておく。 ▼ 2週間を1クールとして自分の求める白さまで行う。 ◆ホームホワイトニングのメリット 自分のペースで歯の白さを追求でき、白くする歯の数が少ない場合は比較的安価で実践できる。回数を重ねることで極限まで白くすることが可能だ。 ◆ホームホワイトニングのデメリット オフィスホワイトニングに比べて低濃度の薬剤を使用するため、効果が表れるまでにある程度の時間がかかる。 「オフィスとホームのふたつを組み合わせるデュアル・ホワイトニングという方法もあり、早く確実、安全に白くすることができるので、ほとんどの方がこれを選択されます。 近年はかなり安価なセルフホワイトニングという施術が出回っています。サロンや美容院などに併設されたブースで、すべての工程を自分で行う方法です。サロンスタッフの指示で、歯磨きをして自分で歯に薬剤を塗り、LEDを照射します。この場合、歯磨きで汚れが完全に落ちているかも確認されずに行われるので、白さにムラが出る、効果がほとんど得られない、歯茎を傷めるといったトラブルが発生しています。 また、海外から輸入された薬剤を使って、自己流のホワイトニングを行う人も増えています。前述したように、これが日本人の歯に合うとは限りません。そもそもマウスピースの適合自体に不安があるので、薬剤が歯茎や喉に流れて痛みを生じ、歯科医院を受診する方も一定数います。やはり、安全にしっかりした効果を得るためには、専門知識のある歯科医師のもと行う医療ホワイトニングをおすすめします」 特に口元は清潔感が表れる場所だ。何歳になっても美しく健康な歯を維持することは、生活のモチベーションアップにもつながるはず。ホワイトニングで白い歯を手に入れることは、そのサポートになりそうだ。 【教えてくれたのは】 照山裕子さん 歯科医。歯学博士、厚生労働省歯科医師臨床研修指導医、東京医科歯科大学非常勤講師。口腔ケアに関心を持ってもらいたいと刊行した著書『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム)がベストセラーに。近著に『新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)がある。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子