「時短勤務 いつまで」検索する女性たち 令和に見えてくる課題──#なぜ話題
「保育園に通うお子さんがいる社員から、小1の壁といわれる小学校入学後の子育てと仕事の両立に不安があること、小4の壁といわれる放課後の学童不足などについて意見があり、上限を引き上げました。ライフイベントを理由に仕事を諦めてほしくないという思いから子育てとの両立の妨げになるものは取り除けるように制度を作っています。弊社の人事評価制度は、勤務時間ではなく目標に対してどれだけ前向きに挑戦できたかに重点を置いています。時短勤務を利用しながらマネジャーをしている者もたくさんおりますし、働く時間が短くてもキャリアに与える影響はないと思っています」 入社14年目で、小学1年生と4年生の男の子の子育てをしながら、社内の広報業務などを担当する太田奈緒さんは、2015年から時短勤務を利用しており、取得は9年目だ。
「朝9時から16時半までの勤務で、今は週4で在宅勤務制度も使っています。保育園から小学校に上がると、学校行事も平日が多いですし、給食がない夏休みなどの長期休暇には昼食を作る必要もあります。長男が小学4年生になり、学童に入れなかったことも時短勤務制度を延長利用する理由のひとつですが、年齢が上がると子どもの活動範囲が広がりますし、勉強もだんだん難しくなってきて、しっかり時間をかけて見てあげる部分が出てきました。精神的なサポートが必要なことも増えていますね」 太田さんによれば、勤務時間を短くする上で部内の協力は不可欠だという。 「上司には、必ず16時半までに終われるようにミーティング時間の配慮をしてもらっています。業務は、自分の裁量で仕事ができるので助かっています。みんなで協力してするほうが効率的な業務については、周りの方に協力してもらっています。私としては子どもの急な発熱などに備えて、期限がある仕事は必ず前もって終わらせるよう努めています」 上限の引き上げで、時短制度を利用する社員は10人増えたという。社内全体では現在60人が時短勤務を利用しているが、男性は0人だ。現時点で希望する男性社員はいないといい、社内で男性社員の時短勤務利用者を増やすための施策を考えている。 「日によっては夫も仕事を早く切り上げることもできますが、私のほうが育児と家事の割合が大きくなっているという現状です。夫婦共働きなので役割分担をした上で、何がいちばん効率的かを考えて私が時短を取る形にしています」(太田さん)