急転大晦日リングへ…統一戦中止の4階級制覇王者井岡一翔に“アジア最強王者“との大晦日代替世界戦プランが急浮上!
来年1月15日に後楽園ホールで日本同級9位、WBOアジアパシフィック同級12位の中村祐斗(24、市野)と対戦することが決まっていることがネックだったが、事情が事情だけに、井岡サイドの水面下の打診に対して理解を示し、興行のプロモーターサイドと両陣営は世界戦を優先させることに前向きな姿勢だという。 福永にとっては15日前倒しとなるが、その試合に向け準備をしていただけに、天から降ってわいた世界戦のチャンスにコンディションを整えることにも問題はないと見られている。 残る問題は、アンカハス戦決定の記者会見で、「この試合しか考えていなかった。アンカハスは(僕のボクシング)人生の中で一番強いんじゃないかという相手。崩すのは難しいが、仕上げて、その壁を崩したい。絶対に勝つ」と意気込みを語っていた王者・井岡のモチベーションだけだった。 やっと実現した悲願の統一戦が中止となった井岡が、その精神的なショックから気持ちを切り替えて大晦日のリングに立つモチベーションを維持できるかどうかという点だ。だが、井岡は中止が決定した翌日にもジムに現れ、予定されていたトレーニングをこなし、大晦日の代替試合に対して、やる気を示しているという。今月発表されたリング誌のパウンドフォーパウンドランキングでは9位に評価された日本人初の4階級制覇王者の責任感と使命感だろう。 14日にWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の“モンスター”井上尚弥(28、大橋)が約2年ぶりの国内リングに立ち、当初は、29日にWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35、帝拳)が“ミドル級世界最強”のIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39、ウズベキスタン)と世紀の一戦を戦う予定が組まれていた。 井岡は「自分のことに精一杯。自分は自分。自分の表現、見せ方がある。(他の2試合が)いい刺激になればいいが、とくに意識はしていない」とも語っていたが、村田―ゴロフキン戦も「延期」となり、年末の3大世界戦を楽しみにしていたファンに対して、チャンスがあるのであれば、戦う姿を見せたいという日本のボクシング界を背負うトップボクサーとしての使命感に駆り立てられたのかもしれない。 いずれにしろ、大晦日までもう時間がないため、関係各所とクリアすべき問題の調整がつき次第、週明けにも正式決定する方向だ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)