新規外国人入国禁止で12月のBOX3大世界戦はどうなる?井上尚弥セーフも村田対ゴロフキン、井岡対アンカハス戦は難しい?!
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が世界的に急拡大している状況を受けて岸田総理は29日、全世界を対象に外国人の新規入国を30日午前0時より原則禁止することを表明した。入国禁止措置は「当面1カ月」継続される方針で、世論もスピード感のある政府の厳格な水際対策を評価しているが、一方で、その影響をモロに受けそうなのがスポーツ界だ。特に12月に3つのビッグマッチを控えているボクシング界を直撃、関係者が対応に追われている。
井上尚弥の挑戦者はすでに来日
緊急事態だ。 12月に日本ボクシング界が誇る3大スターの世界戦が組まれていた。12月14日にはWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)がIBF同級5位のアラン・ディパエン(タイ)と両国国技館で防衛戦。29日にはWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)が“ミドル級最強”のIBF同級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とさいたまスーパーアリーナで世界が注目の統一戦。大晦日には4階級制覇王者のWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)がIBF世界同級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と大田区総合体育館で2団体統一戦を行うことが発表されていた。 井上の対戦相手のディパエンは28日に来日しており、間一髪でセーフ。すでに隔離期間に入っており、今後、スポーツ庁の指導に従った厳格な管理下のもと調整が行われ、試合開催は予定通りに行われる見通しだが、問題は、まだ来日していないゴロフキンとアンカハスを海外から迎える村田と井岡の2つのビッグマッチだ。 ゴロフキン、アンカハスは共に12月中旬に来日予定が組まれており、村田が対戦するゴロフキンに関しては、来日に必要な在留許可などすべての関係書類の申請がクリアされていた。 ゴロフキンはトレーニングを行っている米国からの来日となり、都内の最高級ホテルのワンフロアを貸し切りで確保。試合まで外部との接触を断ち、練習場所を往復できるようなボクシング版の“バブル”が用意され、その経費だけで、約4000万円をかけて万全の準備が整えられていた。またチケットも緊急事態に備え「抽選申し込み制」という形式を取っているものの、25日から受け付けが開始されている。ここまで事前に周到に準備され各省庁からのOKが出ていた興行にも、原則入国禁止のルールが適用されるのかどうか。しかも、ゴロフキンが練習している米国では、まだ「オミクロン株」の感染者は確認されていない。 ただ世界的に注目を集めている村田対ゴロフキン戦のレフェリー、ジャッジは試合ギリギリのタイミングで海外から迎え入れる予定が立てられていたため、入国禁止措置の影響を受けるのは、ゴロフキンと、そのスタッフだけではないという厳しい事情もある。