アッ! サーキットで転倒!!バイク用エアバッグシステム「hit-air製MLV-C」にマジで救われた話
不意の転倒でコロコロ転がるも、ヘルメットの帽体には傷ひとつなし
で、10月のある日、筑波サーキット(TC2000)で練習走行をしていた時のこと。前回を上回るタイムを刻んでいたのですが、これが「もっとイケる!」という欲とか焦りのようなものを生んだのでしょう。最終ラップにほど近いタイミングで、第一コーナーへの突っ込みもいくらかオーバースピードだったかもしれません。あるいは、スピードこそ同じでも、アクセルを開けるのが早すぎたのかもしれません。いずれにしろ、ヤバいと思う間もなくあっという間に転倒し、グラベルゾーンへと滑っていったのでした。 この際、覚えているのは自分が丸太棒のようにコロコロと回転していたこと。どこかに衝撃を受けたかどうかというのはまったく覚えていません。そして、どういうわけかグラベルではうつぶせに倒れることなく、手と膝をついて四つん這いになっていたのです。 グラベルで我に返ると猛烈な息苦しさを覚え、バイザーをあげて息を吸い込もうとしたものの苦しくて我慢がなりません。この時「これでお陀仏か」と観念したこともお伝えしておきましょう。とどのつまり、息苦しさはエアバッグの膨張による身体側への圧迫が強烈だったということで、筆者が丸太のように転がったのも、身体の周囲に膨らんだエアバッグによる衝撃緩和の効果だったということ。あたかも、柔道黒帯の巧みな受け身をエアバッグが再現してくれた、といったらご理解いただけるでしょうか。 また、救護室でヘルメットをチェックして気づいたのですが、バイザーに擦り傷があったのみで、帽体はかすり傷すらありませんでした。これは首の後ろでバッグが膨張した効果と思われますが、後から首が痛くなったなどということも一切ありませんでした。 残念ながら、転倒時にどこかにぶつけたのか、左手の親指だけは脱臼してしまいましたが、その他の部位は病院でレントゲンを撮るまでもなくまったくの無傷・無損傷! これには、同行していたチームのメンバーはもちろん、救護室のナースさんまで驚いていました。バイク自体はスライダーが削れ、ハンドルバーが曲がった程度なので、さほど大きなクラッシュでもなかったかと。それでも、もしエアバッグを付けていなかったらと思うとぞっとします。それなりのスピードで、不意にコケたのですから、あばら骨の一本や二本は折れていても不思議ではなかったはず。地味に痛いですからね、あばらの骨折は(笑)。