飲み放題付コースが税込1.2万円! 焼き鳥激戦区に、わざわざ通いたくなる注目の新店が誕生
続く砂肝がユニーク。それぞれ上から信州黄金シャモ、栃木しゃも、ホロホロ鳥と3種類の砂肝を串打ち。似ているようで微妙に異なる歯応え、脂感が面白い。季節の茶碗蒸しで一息つき、野菜串や豆腐の酢漬けなどで舌をリセットしたところで、今度は高橋さんイチ推しのホロホロ鳥の白レバー。
軽くタレに潜らせてはいるものの、甘さを控えたタレは、レバー本来のコクとうまみをグッと引き立てる一方、食後感は思いの外あっさりとしている。もちろん、くさみなど皆無だ。
お次は、パリパリの皮も香ばしいモモ肉の出番。2切れ刺しているうちの、上は信州黄金シャモ、下は栃木しゃもと異なる品種のモモ肉を食べ比べられるのもここならでは。じっくりと味わいたい。
さて、続いての一皿は「燻製の盛り合わせ」。皿には、手羽先の燻製、卵黄のみりん漬けにホロホロ鳥のササミ、そして薪で焼いたムネ肉が盛り付けられている。
ササミにはチーズを削りかけ、ムネ肉は、白味噌とオランダのチェダーチーズを中に巻き込んであり、この白味噌とチーズが思いがけずの好相性。お互い発酵食品だからだろうか、白味噌とチーズのマイルドなコクとムネ肉のうまみとの一体感もばっちり! そこに薪の薫香が纏わって風味豊かな佳品となっている。日本酒もいいが、樽香を纏ったワインも合いそうだ。
真菰などの野菜串を挟んで、いよいよお待ちかねのつくね。ここではうずらとセットになって登場。コースの中では数少ないタレ味の一つだ。高橋さんによれば「うちのつくねはモモ肉のみです」とのことだが、そのモモ肉は信州黄金シャモ、栃木しゃも、ホロホロ鳥の3種混合。玉ねぎと卵を混ぜ、しっとり軟らかく仕上げている。肉汁をできるだけ閉じ込めたいと棒状にまとめ、生から焼き上げているのもつくねラバーにはうれしい。
コースの終盤に持ってきたのは、焼き鳥店定番の一串“ねぎま”。この串のモモ肉はホロホロ鳥。こんがりと焼き上がった皮はサクサクと歯触りも軽快。野生味がありながらクセのないホロホロ鳥のモモ肉は、噛み締めるほどに肉汁が滲み出て実にジューシー。あっさりしているようで、うまみの余韻は深い。