飲み放題付コースが税込1.2万円! 焼き鳥激戦区に、わざわざ通いたくなる注目の新店が誕生
「(そんなに飲んで)大丈夫?というぐらい飲まれる方が多いですね」と高橋さんは笑うが、側で見ているこちらの方は、いえいえ、そんなに飲まれて採算取れてます?と心配になってくるほど。だが、高橋さんは気にもせず「お酒の金額を気にしながら飲むのってストレスでしょう。僕も酒飲みなんで」とあっけらかんとしている。
さて、焼き鳥フリークを自認する高橋さんの好みのタイプは地鶏系。「しっかりと噛み応えのある肉質の鶏が好き」だそうで、店で扱っているのは、長野の信州黄金シャモと栃木しゃも、そして和歌山のホロホロ鳥の3種類。いずれも、いろいろと食べ比べて選んだ鶏だ。
高橋さん曰く「信州黄金シャモは、軍鶏と名古屋コーチンの掛け合わせ。軍鶏特有の歯応えと名古屋コーチンのコクを兼ね備えた地鶏で、ジューシーかつ澄んだうまみがありますね」とのこと。一方、栃木しゃもは、軍鶏オス×(プレノワール種オス×ロードアイランドレッド種メス)メスの掛け合わせ。脂肪が少なく味に深みがあり、それでいて肉は柔らかいのが特徴とか。いずれも飼育日数4カ月余りとブロイラーの約3倍、地鶏の1.5倍と時間をかけ、ストレスなく育てられている。また、ホロホロ鳥も高橋さんが惚れ込んだ鶏の一つで「キジ科の鳥で身質がきめ細か。しっかりとした肉のうまみを感じられるところも魅力ですね。淡白なようで余韻は深いと思います」と高橋さん。コースでは、これらの3種がさまざまな串や一品料理となって登場、舌を楽しませてくれる。
コースのスタートは、まず、信州黄金シャモの揚げ出しのお椀から。一番だしを用いたそれは、じんわりと胃に優しく、これから始まる怒涛の流れの幕開けにふさわしい。味噌風味の枝豆をつまみつつ待つことしばし。1本目は栃木しゃものムネ肉。香ばしい皮に対してムネ肉はしっとり。強火で焼き上げているからだろうか、パサつきはなく、淡白な身のうまみに柚子胡椒がいいアクセントだ。