「どこから片づけても同じ」ではない…実家の「リビング、キッチン、寝室」で片づけのプロが最初に手を付ける場所
■「減らす」だけでなく必要なモノは導入する あと、よくあるのはお砂糖やお塩、小麦粉などの二重管理。 小瓶や小さいストッカーに移して調理台に並べている方が多いのですが、それだと1袋分が入り切りませんので、別に袋を置いておく場所が必要になりますし、ストックの有無もわかりにくくなります。さらに、移し替える手間が生じますし、その際に中身が飛び散って掃除が必要になることも。 だから、保存容器は、1袋分すべてが入るサイズを選ぶと断然便利。おすすめはフレッシュロックの製品です。口が広くて(移し替えやすい)、密閉性が高いうえ、プラスチック製だから軽いし割れません。手の力が弱い高齢者でも安全に使いこなすことができます。砂糖1袋分が入る1.4リットルサイズをはじめ、サイズ展開が豊富なので一元管理をするには最適です。 もちろん、新しいモノを購入するとなると、そのぶん、お金はかかります。でも、実家片づけをする目的の一つは、親が幸せに暮らせるようにすること。今の暮らしにマッチするように、暮らしを再構築することです。だから、とにかく捨てて量を減らそうとするのではなく、必要なモノは導入するという気持ちで片づけに臨むことが大事。 図表1に、省略と代用のアイデアをまとめました。ご両親に伝えるときの参考にしてみてください。 ■思い出の食器は「持ち帰り」を検討する お料理が好きな親御さんだと食器もたくさんお持ちかもしれません。 食器棚は買い替えることもあまりないので、子どもがいた頃や、親戚が大勢集まっていた頃と同じだけの量をそのまま保管されてることも多いのではないでしょうか。 もちろん今も来客が多く、よく使うというのならそのままでかまいませんが、そうでないなら、このタイミングで、日常的に使わない食器は、「不要」か「保留」に仕分けてしまいましょう。もし、あなたが気に入った器があれば「懐かしい! これもらって帰ってもいい?」と聞いてみれば、喜んで手放してくださるでしょう。 今使っている食器だけにしてみたら「こんな大きい食器棚は必要ないな」「食器棚自体、もういらないかも」と思うようになるかもしれません。 ---------- 石阪 京子(いしざか・きょうこ) 片づけアドバイザー 宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片付けができないと諦めている多くの人に出会う。自分にできることはないかと女性目線での建築設計、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な片付け法を試したり、プロに頼んではリバウンドを繰り返してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっている。 ----------
片づけアドバイザー 石阪 京子