美しい紅葉が堪能できるホテル&宿 3選
フランス料理界の巨匠・アラン・デュカスがプロデュースするレストランでは、紅葉に浮き立つ嵐山の街、そして、紅葉を愛でる人々を眺めながら美食に舌鼓が打てる。京都をはじめとする日本各地の厳選食材を使ったフレンチのディナーもぜひ賞味したいが、まだ観光客がほとんどいない桂川を正面に眺めながらいただく、コース仕立ての朝食は格別だ。
ゆったり寛げるテーブル席もあるが、ここはぜひ窓に面したカウンター席を陣取りたい。朝の光のなかで厳かに色づく紅葉と、涼やかな桂川のせせらぎとの調和に、心が浄化されていくことを実感できるはずだ。 MUNI KYOTO 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3番
ふふ 河口湖 /TKN・ARCHITECT
建物はボリュームを抑えた2つの棟に、 32の客室と専用のラウンジ・レストラン・温泉を設けている。豊かな自然を享受し、五感を呼び覚ます。地域に根ざし、この地でしか味わうことのできない滞在を提供する「日本リゾート」である。 2007年に熱海で開業し、2024年10月現在、奈良、日光、京都、箱根、軽井沢など、全国に8施設を展開。設計はいずれも中村渓氏が率いる『TKN・ARCHITECT』が担当している。
「ふふ 河口湖」は、2018年10月、山梨・河口湖の北岸の豊かな森に抱かれるような地にオープンした。標高約860mの高台に位置し、紅葉シーズンは燃えるように赤く染まる木々と冬化粧が始まった富士山との競演が楽しめる。 コンセプトは「木々が薫り、光がゆれる、境界のない森のリゾート」だ。建物を自然の背景としてとらえ、その土地の魅力を最大限に引き立たせることに注力しており、建物はもともとあった傾斜を利用して建てられた。ロビーのカウンターなどには、この土地で育まれたケヤキの切り株を再利用。木々を積極的に利用したインテリアやふんだんな植栽も見事で、屋内にいても森の中にいるかのような錯覚を覚える。
全32室の客室はすべて、富士山を望むスイートルーム。浴槽の底に富士山の溶岩石を敷いたオープンエアの天然温泉につかり、森の息吹を感じながら紅葉を愛でることができるのは「ふふ 河口湖」ならではの贅沢だ。全室にバイオエタノール暖炉を導入しており、少し気温が低い日でも窓を開け放ち、色づく木々の香りを客室に取り入れ、そのエネルギーを享受することができるのもうれしい。