美しい紅葉が堪能できるホテル&宿 3選
自然とシームレスに広がるホテルのロビーの目の前には50種類以上の植物が植えられたテラスが広がり、テラス越しには富士山が悠々と佇んでいる。「ふふ 河口湖」のテラスは富士山を正面にのぞむ特等席。夜には登山客のライトが作る光の道が輝く。 客室で、あるいは公共スペースで……、紅葉と富士山、そして河口湖が作り上げる自然のマリアージュに酔いしれたい。この地の木材を活用したカウンターを設えたバーに立ち寄るのもお忘れなく! ふふ 河口湖 山梨県南都留郡富士河口湖町河口字水口2211-1
アマン京都/ケリー・ヒル・アーキテクツ
京都の中心部から車で20分。2019年11月に開業した「アマン京都」は京都、洛北鷹峯の幽玄な森の庭に、その自然環境と共存するように佇んでいる。もともとは西陣織の織屋が、この地に織物美術館を創るべく、約40年もの歳月をかけて育んできた庭園だった。これを、アマンが引き継ぐかたちで自然に寄り添うリゾートに仕立てた。
設計を手がけたのは、アマンリゾートを筆頭に数々のリゾートを設計した、ケリー・ヒル・アーキテクツ。アマン京都は、構想と建築で約20年もの歳月を費やしたアマン京都の完成を見ることなく、2018年にこの世を去ったヒルの最晩年の作品だ。
森を含めたリゾートの総面積は約32万㎡、リゾートの敷地面積は約2万4000㎡に及ぶ。どこかスピリチュアルな雰囲気さえ感じるこの広大な森の庭に、客室はわずか26室のみ。客室のほかに、レセプション機能をはたす「アライバル パビリオン」、オールデイダイニング「ザ リビング パビリオン by アマン」、その前には、「ケリーヒル ガーデン」と名づけられた苔庭が広がる。さらに、車寄せ脇には日本料理「鷹庵」、天然温泉をたたえる「アマン・スパ」が配されている。
建築が直線的な「格子」をモチーフにした直線的なデザインであるのに対し、家具には曲線を多く用い、やわらかな印象を演出した。装飾を潔くそぎ落としミニマムに仕立てた客室には、窓の外に広がる自然を装飾のように見せるために大きな窓を配されている。客室のどこからでも屋外の景観が眺められる空間設計も粋だ。檜風呂が置かれたバスルームからも、外の景色を感じられるように演出されている。 アマン京都が位置する鷹峯界隈は、江戸初期、琳派の創始者のひとり、本阿弥光悦が居を構えた場所だ。古くから芸術家たちが集った地で、紅葉が織りなす錦に包まれ、眠る、静謐で幻想的な世界に存分に身を委ねたい。 アマン京都 京都府京都市北区大北山鷲峯町1