なぜバルセロナは無冠に終わったのか…次期監督確実視クーマンへの期待とは?
12シーズンぶりの無冠に終わった、スペインの名門バルセロナが激震に見舞われている。 ポルトガルで集中開催されているUEFAチャンピオンズリーグのノックアウトステージで、独ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンに2-8と惨敗。屈辱的な準々決勝敗退でシーズンを終えてから3日後の17日に、今年1月から指揮を執ってきたキケ・セティエン監督の解任が発表された。 後任には現役時代にバルセロナでディフェンダーとしてプレーし、2018年2月からオランダ代表を率いるロナルド・クーマン監督の就任が確実な状況になっている。しかし、指揮官を代えただけですぐに再建できるとは思えないほど、現時点のバルセロナはさまざまな問題を抱えている。 まずは2019-20シーズンが幕を開けた直後の昨年9月。バルセロナへの復帰を希望していたとされるブラジル代表FWネイマールに関して、所属する仏リーグアンの強豪パリ・サンジェルマンの要求を満たせなかったと、バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が明かした。 在籍時にアルゼンチン代表リオネル・メッシ、ウルグアイ代表ルイス・スアレスとともに頭文字を取って「MSNトリオ」と命名された、史上最強の3トップ復活を望む声はクラブ内に少なくなかった。なかにはバルトメウ会長に直談判した選手たちもいた、と報じられたこともある。 ゆえにネイマールの獲得失敗は、選手たちの士気にネガティブな影響を与えた。一方でフランス代表FWウスマン・デンベレらとともに、ネイマールとの交換という形で期限付き移籍する候補に名前を挙げられた、クロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチも内心穏やかではなかったはずだ。 バルトメウ会長は「交渉で選手を求めてきたのは、パリ・サンジェルマン側だ」と内幕を明かしている。しかし、2018-19シーズンまでのラ・リーガ1部連覇に貢献したラキティッチの出場機会が激減するなど、バルセロナは火種を抱えた状態で2019-20シーズンを戦ってきた。