伝説の古着屋・Hanjiro(ハンジロー)の軌跡:元商品企画部マネージャー高山亨さんが語るその裏側
ハンジローの集大成でもある、「レトロブティックことり」
人の数だけ物語があるように、ブランドの数だけ築き上げる物語がある。 それはハンジローも例外ではない。順風満帆だったハンジローも社長が代わり、経営方針が変わってしまった。その後は、一時期リサイクルショップ「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」が買収。全国展開していた店舗は閉店が相次ぎ、2012年にはハンジローの礎でもある盛岡店が閉店。 そして、最後に残っていた福岡店も2015年には閉店した。 ハンジローの歴史を文字に起こすと、物語の結末に寂しさを感じるかもしれないが、あくまでも経営方針が変わる前のハンジローは、ファミリーのような温かさに包まれている会社だった。 ハンジロースタッフの結束力や信頼関係の強さは、当時の社内広報からでもよく伝わってくる。スタッフ一人一人の想いが溢れている社内新聞や、BBQの思い出をまとめたリーフレット、照れた顔でスタッフがモデルをしているオリジナルのカタログは、ハンジロースタッフが創り出した煌めく思い出のひとつだろう。
そして、ハンジローが築き上げた物語は、バトンのように「レトロブティックことり」に引き継がれた。 「レトロブティックことり」は、高山さんが2013年にオープンした古着屋だ。
元ハンジローという肩書きを出さなくても、ひっきりなしに人々が訪れる「レトロブティックことり」は、古着フリークでもある、さらば青春の光の森田哲矢のYouTubeで紹介され、古着好きの間では有名なお店だ。 また、岩手めんこいテレビの「サタデーファンキーズ」でも、古着好きの河合郁人のロケ衣装の担当をしており、現在人気沸騰中のお店である。
ハンジローのエッセンスに、高山さんの遊び心が加わった「レトロブティックことり」も、心を惹きつける魅力的な内装になっている。 ハンジローの什器を使用しながらも、ハンジローにはないディスプレイは、高山さんのセンスとともにどこかノスタルジックな想いにさせてくれる店内だ。