【2024年ベストバイ】繊研新聞 小笠原拓郎が今年買って良かったモノ
F:1年で一番忙しい海外コレクション期間にですか(笑)。 小笠原:「前乗りしろってことか!」って言っちゃったよね(笑)。どこまで本気かはわかりませんが、正式なオファーが来た時のために一応メニューだけは考えています。 F:イタリア・フィレンツェで小笠原さんの手料理が食べられることを期待しておきます(笑)。 ※繊研新聞:【小笠原拓郎の聞かせて&言わせて】「セッチュウ」桑田悟史さん 洋服だけじゃなく文化も通して日本を代表していきたい
スティーブン・ジョーンズのハット
F:続いては大御所帽子デザイナー、スティーブン・ジョーンズ(Stephen Jones)のハットですね。 小笠原:ドーバーストリートマーケットギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で購入しました。結構高いのでその場で購入を決めず悩んでいたんですが、スティーブン・ジョーンズはあと何年帽子を作るんだろうかと思ったのと、「キジマタカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)」の木島さん(デザイナーの木島隆幸)に会った時にその話をしたら「絶対買った方がいい」と背中を押されたので買いました。帽子って自分に合うものを見つけるのがどうしても難しいので、高くても絶対買ったほうがいいと。 F:木島さんが勧めるなら確かに信頼度が違いますね。 小笠原:店員の方に自撮りしてもいいと言われたので、帽子を被った写真を木島さんに見せたわけ。そしたら、「大丈夫。似合っているから買った方がいいよ」と言ってくれて、海外出張もあるし購入しようと決意しました。 F:出張だと流石にスーツケースには入れられないですよね? 小笠原:被っていくしかないですね。形が崩れてしまいますから。 F:今年はこの帽子を被った小笠原さんをよく見たような気がします。 小笠原:ブリムが広いハットって背が高い人は似合いますけど、私みたいに背が低いとあんまり似合わない。だから所有しているハットは幅が狭いブリムのものが多いんですが、それらと比べるとこれはちょっとだけ広め。にも関わらず、被った時のバランスはすごく良くて。スティーブン・ジョーンズの帽子を買ったのはこれが初めてでしたが、気に入って今年は本当によく被りました。 F:「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」、「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」と、世界のトップブランドがこぞってオファーする帽子デザイナーだからこそなせるバランス感覚なんでしょうね。 小笠原:1月のオートクチュールを取材していたら、「スキャパレリ(Schiaparelli)」のショー会場でジョーンズに会って、「被ってくれてありがとう」と言われて。そこで何歳なのか気になって、検索をかけたらまだ70歳だったんですよ。もう少し上だと思っていたので、まだまだ引退する年齢じゃないなと。だから、もう1個くらいは買うかもしれません。