日本シリーズでのソフトバンク山川穂高の復調は 練習視察の王貞治会長が太鼓判「ホームランが出れば一番いいけど…」
◆SMBC日本シリーズ2024 第6戦 DeNA―ソフトバンク(2日、横浜) 雨天中止 ■ラオウ?アンパンマン?暗雲切り裂く栗原陵矢の謎ポーズ【写真】 【#記者コラム/#好球筆打】 予報通り、日本シリーズ第6戦は3日に雨天順延となった。その第6戦先発はソフトバンクが有原、DeNAが大貫と両軍ともにスライド登板を選択したようだ。チーム戦略的な部分も含め、この雨がどちらに味方するのか。泣いても笑っても、今年の日本のプロ野球は多くて残り2試合だ。当然、ホークスが頂点に立つにはその2試合に勝つしかない。 リーグを勝ち抜き、限られた者しか出場することのできない日本シリーズ。そんな頂上決戦を誰より選手として経験しているのが、他でもない王貞治球団会長(84)だ。V9を達成した巨人時代に通算77試合に出場しており、通算本塁打も歴代1位の29本を放っている。あらためて思うが、とんでもない数字だ。 そんな王会長は、2勝3敗と王手をかけられた状態のチームを放ってはおけなかったのだろう。試合中止となった横浜スタジアムに駆けつけると、球場入り後、すぐさま室内練習場へと足を運んだ。「この中止(雨天順延)でウチの打者は頭を空っぽにできたんじゃないかな。そういうふうにプラスに捉えてやっていこうよ」。150メートル近くある通路を歩きながら発する言葉にはチームへの思いであふれた。 言葉だけではない。思いは行動にもあらわれていた。柳田や山川、近藤ら主力組の打撃練習はさすがに見守るだけだったが、第1、3戦目と先発出場しながら計6打数無安打に終わった正木にはアドバイスを送り、最終的には川村や緒方、笹川ら野手陣全員が打ち終わるまでの約1時間半、熱視線を送り続けた。 そんな王会長は球場を離れる際、逆襲のカギを握るであろう4番山川の打撃の状態を問われると「そんなに振らないで、ジャストミート的にやってたよ。(芯で捉える)確率も高かったね」と本拠地福岡での3試合で12打数無安打に終わった主砲の復活を予言。その上で「ホームランが出れば一番いいけど、やっぱり打点だね。打点が付くと乗っていけるから。打線は残念ながら福岡ではダメだったけど、まあ、こっちに来て切り替えてね。雨だから切り替えもできる。ウチはもう負けられないんだから、やるしかない」ときっぱり言い切った。 その力強い言葉に、こちらも何だか勇気づけられた。史上初となる敵地で4勝を挙げての日本一へ。もう、やるしかない。(石田泰隆) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社