こんな最高の仕事はないですよーーほぼ毎週マラソン、川内優輝36歳の強さ #ニュースその後
36歳の私がMGCで勝つようでは、日本のマラソンは暗黒期に
「私は国内外で気候や環境、展開の異なる様々なレースを経験してきました。持ちタイムで劣っているならば、少しでも勝つ可能性を高めるために積極的に仕掛けるのは一つの手です。そういう選手が私のほかにいなかったのは残念。そのぶん私が目立てたのはよかったのですが、正直もったいない。五輪の出場権が取れなくても、いいレースをすれば記憶にも残るし、関係者も喜んでくれると思うんですけどね。 たとえば、昨年の杭州アジア大会でも日本代表の選手は、持ちタイムでは上回っていたのに中国や北朝鮮の選手に負けた。なぜかといえば、いつもペースメーカーについていき、その落ち幅をいかに少なくするかというレースばかりをやっているからだと思うんです。MGCでも、集団についていきながらどこまで粘れるか、という考えしかなかったのでは……。36歳の私が勝つようでは、日本のマラソンは暗黒期になってしまいます(笑)。若い選手には今後、五輪や世界選手権で結果を残すためにも、もっと海外に出て“選手権レース”を経験してほしいですね」
パリ五輪に向けた男子マラソンの残る1枠は、今後のMGCファイナルチャレンジの大阪マラソン(2月25日)と東京マラソン(3月3日)の結果に委ねられる。どちらかのレースで2時間5分50秒(日本歴代3位相当)の設定タイムを超えた最速選手が出ればその選手に、記録を超える選手がいなかった場合はMGCで3位だった大迫に出場権が渡る。 大阪マラソンへの出場を予定している川内。昨年12月には防府読売マラソンで、自身5年ぶり5度目の優勝(2時間8分32秒)を飾るなど好調を維持する。期待も高まるが、「まずは自己ベストの更新が目標」と弱気だ。 「ファイナルチャレンジはペースメーカーの付く、順位ではなく記録(タイム)の勝負ですし、5分50秒は私にとってなかなかのハードルです。なので、まずは自己ベストの更新! もちろん、できることはやっていけたらと思っていますし、コースの下見をかねて大阪ハーフ(1月28日)には出る予定です」