こんな最高の仕事はないですよーーほぼ毎週マラソン、川内優輝36歳の強さ #ニュースその後
レース終盤のスペシャルドリンクは「コーラ」
36歳、ランナーとしては大ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かってきたが、川内に老け込む様子は一切ない。いまもレース前夜にはゲン担ぎとして大盛りカレーを欠かさず食す。かつては死に物狂いの形相でゴールまで駆け込み、倒れ込むことも珍しくなかったが、そんな姿を見ることもなくなった。
「MGCの前も“ココイチ”で、ビーフカレーのごはん700グラムに、パリパリチキンとソーセージと豚しゃぶをトッピングしましたからね。そしたら、X(旧Twitter)で200万以上のインプレッションがあって、結果以上に盛り上がっていました。レース後に倒れなくなったのは、130回以上マラソンを走ってきて耐性がついたことと、レース終盤のスペシャルドリンクをコーラにしたことがよかったのかなと思っています。これまでも体が痙攣したとき、コーラを飲んで糖分を補給すると収まっていました。それなら理論上は終盤のスペシャルドリンク(給水)をコーラにしたら倒れないんじゃないかと思って(笑)。糖分だけじゃなく、カフェインも効いている気がします。炭酸は飲みづらい? 事前に炭酸は抜いて、ガス抜きコーラにアミノ酸とかを入れて改良しているので大丈夫です」
妻との出会いも「繰り上げ」から
19年に同じく陸上長距離ランナーの妻・侑子さんと結婚し、一昨年には長男の渉夢(あゆむ)くんが誕生した。私生活の充実が、競技にいい影響を与えているのかもしれない。 「妻の理解もあって競技のときは集中させてもらっているのですが、やっぱり子どもはかわいいので、一緒にいると元気が出ますよね。たまに家で腹筋とかしているとおなかの上に乗ってくるので、ちょうどいい負荷をかけてもらっているというか。自分の息子と親子マラソンに出るのが昔からの夢だったので、一緒に走れるようになるまでは強い選手でいたいと思っています」 4月にはパリ・マラソンへ出場するという。現状でMGC4位の川内は、パリ五輪の補欠候補でもあり、準備の一環だ。残る2つのMGCファイナルチャレンジで、2時間5分50秒を切る選手が出なければ、規約上は大迫のパリ五輪出場が内定し、川内が補欠になる。もし内定者にケガ人などが出たら、急遽出番が回ってくるかもしれない。
「本当は自分で5分50秒を切れたらいいんですけどね。ただ、それは簡単ではないので。もし繰り上げで補欠に決まれば、しっかり8月の五輪に向けて準備する必要があります。ただ、私はレースに頻繁に出ているので、ほかの選手のように準備に3、4カ月もかからない。補欠には最適かもしれません(苦笑)。繰り上げといえば、私は学生時代に妻とニューカレドニア国際マラソンで出会ったのですが、そのときも妻は日本学生女子ハーフマラソンで優勝していたのに対し、私は日本学生ハーフマラソン6位で、上位5人が全員辞退したなかでの繰り上げ出場だったんです。それで出会えたという(笑)。人生は何が起こるかわかりません」