恋人に出会える“あわ餅”に、他言NGの神社も!? 古代ロマンと原風景にふれる日本最古の道「山の辺の道」へ【ディープな奈良の魅力に浸る】
のどかな日本の原風景と、ヤマト王権の面影をたどる
「何もないのが、楽しい」。と、山の辺の道に何度も足を運ぶ人たちはみな、口をそろえて言うそうです。もちろん素晴らしい歴史的文化財はたくさんありますが、歩いているとたしかにその言葉がしっくりきます。 郷愁を誘う牧歌的な田園風景がどこまでも広がり、青垣と称される豊かな山々に見守れる田舎道。おそらく何百年前、何千年前と大きく変わっていないであろうのどかな景色は、歩くほどに心を豊かにしてくれる気がします。 1時間ほどのんびり歩いていたら、弘法大師が建てたことで知られる長岳寺が見えてきました。境内には四季折々の花が咲き誇り、毎秋になると本堂には巨大な大地獄絵が一般公開されるのですが、今回はその隣りにある「天理市トレイルセンター」へ立ち寄ることに。 トレイルセンターではハイキングを楽しむ人たちのためにヤマト王権にまつわる地理や歴史、山の辺の道にゆかりのある文人などの情報が展示されています。 また施設に併設されている食堂「洋食Katsui」はハイカーや地元の人たちから大人気と聞き、せっかくなのでランチをいただくことにしました。オーダーしたのは、一番人気のメニューであるエビフライ定食。新鮮な野菜サラダと甘くてプリプリのエビフライでボリューム満点! ハイキングの疲れも吹き飛びます。
絶対に他言してはいけない!? 最強パワースポット「大神神社」
たおやかな円錐の形をした三輪山が見えてきたら、山の辺の道ハイキングもクライマックス。 三輪山は国を開いた大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が御魂を鎮めたという霊山です。三輪といえば酒造り発祥の地というイメージがありますが、じつはそのきっかけとなったのも大物主大神。 崇神(すじん)天皇時代に疫病が流行り国が混乱をきわめた際、天皇が大物主大神から酒を奉納するよう啓示を受けたことから酒造りは始まったのだとか。そうした由来から、大物主大神は酒の神とも呼ばれています。 三輪山の裾野に近づいてくると、まず見えてくるのが「桧原(ひばら)神社」。三輪山をご神体とする「大神(おおみわ)神社」の摂社の一つで天照大御神を祀り、別名“元伊勢”とも呼ばれている。 3つの鳥居が横一列に並ぶ独特の姿をした「三ツ鳥居」が特徴的で、拝殿を通して三輪山を拝む原初の神まつりの姿を残しています。 春分、秋分の夕刻に訪れ、ここから二上山に沈む美しい夕陽を望むのもおすすめです。 ラストスポットにして最強のパワースポット・大神神社についに到着。大きく立派な拝殿は徳川家綱公によって再建され、国の重要文化財に指定されています。 桧原神社と同様、三輪山が神体山のため本殿を持たず、山中には3つの磐座(いわくら)が存在します。 かつては神官や僧侶しか入れない禁足地であった三輪山。現在は一般者も参拝することが可能。ですが、参拝者は山中で起きた出来事は絶対に口外してはいけないというルールが⋯⋯。道中の私語も、もちろん写真撮影もNG! タブーの内容だけを聞けば少し怖さも感じますが、ここははるか昔から「神の宿る山」として崇められてきた聖地。神様と、そして自分自身と真摯に向き合って心から祈りを込めれば、きっと英気が養われ、ご利益を得られるはずです。
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