クラブW杯日本開催返上の“功罪”
こうした状況を受けて、JFAはクラブワールドカップ前後の決勝の前倒し開催を模索してきた。クラブワールドカップ自体の開催権返上に合わせて天皇杯の日程も変更したなかで、須原専務理事は「もちろん元日開催がふさわしい」と天皇杯決勝の位置づけに対するJFAのスタンスを強調した上で、今回の前倒し決定をこう説明した。 「選手たちのコンディショニングと、それに伴う各クラブの運営にもしっかりと配慮しなければいけない。シーズンの終わりをどこまでそろえられるかは、JFAを含めたサッカー界全体に共通した目標でもあります」 一方で代替開催される大会の日程次第では、ACLのベスト16進出を果たしている川崎、名古屋グランパス、セレッソ大阪が頂点に立ち、アジア大陸代表としてクラブワールドカップに出場する際の問題は残る。3クラブとも天皇杯でもベスト8に進出しているためで、この点に関してはFIFAの決定を踏まえながら、さらなる協議が必要となってくる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)