その場の子どもの行動ではなく「心」を見よう わが子にイライラする親は根本「3原則」を知らない
したがって、「親は子どもを下に見る一方で、子どもは親を上には見ていない」ことでトラブルが起こっていると考えられます。ではどうすればよいでしょうか。 それは、子どもと対等の目線でいることです。対等とは、「子どもを1人の人格を持った人間として尊重して対応する」ということです。 すると子どもの置かれている状況、気持ちに意識が向かいます。いわゆる「共感」している状態です。 ■「共感」段階で終えておく水平目線
共感ができたら、次に心を変えてあげたい(やる気にさせたい)と思うかもしれませんね。しかし、これまでの筆者の経験では、ここで子どもの心を変えるのではなく、「共感」段階で終えておくことが適切だと考えます。変えようと作用すると、作用反作用の法則(押すと反発する)が働くため、子どもの気持ちを理解し、話を聞いてあげるだけで終えます。 これが水平目線ということです。すると、しばらくすると子どもが自主的に行動していくと思います。実は、親が子どもの心を変えようとせず、水平目線で話を聞いてあげることで、子どもの心は自然と変わるのです。
以上、倉田さんのご質問に対しては、声かけという具体的方法(ソフトのインストール)ではなく、子どもに対する認識、考え方を変えていくというOSのアップデートについてお伝えしました。OSのアップデートができると、これまで起こっていたほかの同種の諸問題は自然と解決していくと思います。ぜひ、この機会に3つの原則を試してみてください。きっとお子さんはぐんぐん伸びていくことでしょう。
石田 勝紀 :教育デザインラボ代表理事、教育評論家