その場の子どもの行動ではなく「心」を見よう わが子にイライラする親は根本「3原則」を知らない
しかし、子どもはやりたくないことは何度言ってもやらず、さらに親側は言っても変わらない子どもに対して、「強く」言ったり、時には「強制的」にやらせたりすることもあります。同じ方向を向いたアプローチをしていては、毎回同じ結果にしかなりません。言い続けたところで、強く言ったところで本質は何も変わっていないからです。 子どもを変えるのではなく、親自身が先に変わる必要があります。「他人を変えることはできない。変えられるのは自分だけ」という言葉がありますが、子どもは他人の部類に入ります。自分の子どもは自分の分身ではありません。ですから、まずは自分が変わることで、結果として子どもの行動が変わっていきます。
■子どもの行動ではなく、心を見る (2)子どもの行動を変える前に、心を見る 次に、親が先に変わるということですが、どのように変わればいいのでしょうか。それは、子どもの行動に注目するのではなく、子どもの心の状態に注目していきます。例えば、やらない、ダラダラしているなどの表面的な子どもの状態を注視するのではなく、なぜやらないのだろうか、なぜダラダラしているのだろうかと子どもの内面的な気持ちの部分にフォーカスしていきます。これが、行動ではなく心を見るということです。
人は一般的に、行動が変わるためにはまず心が変わってから行動を起こすものです。それを親が無理やり子どもに行動(例:勉強させる)を促せば、当然子どもは反発、反抗してきます。とくに自我が出てくる年齢であればなおさらです。「人は心が変わってから、自発的に行動するようになる」という原理を知っておくとよいかもしれません。 すると次に、子どもの心をどのように変えていけばよいか気になると思います。それが次の3つ目です。
(3)上から目線より、水平目線 親から子どもを見ると、どうしても子どもは自分より“下”の立場にいると考える傾向にあります。そのため、親は上から目線の対応を取りがちです。親子で年齢差も相当ありますし、自分が産んで育てているという認識があるとなおさら、「自分が何とかこの子をしっかり育てなくては」と思うようになることは自然なことです。 しかし、子どもから親を見ると、親を自分よりも上の立場の人という認識はほとんどないと思われます。もし、親を上の立場と思っているのであれば、タメ口はきいてきません。反発、反抗などもってのほかです。江戸時代の武家社会のような封建的な家庭であれば、子どもはお父様、お母様と上の立場であるという認識があるかもしれませんが、現代社会において、そのような認識は薄いのではないかと思います。